遺贈による登録免許税はいくら?受取人で税金が5倍違う理由は!?

遺贈により不動産を取得した場合、登録免許税がかかります。

登録免許税の税率は、受取人の続柄によって異なり、手続きも複雑になります。

また、遺贈による不動産取得でかかる税金は登録免許税だけではありません。

こちらでは、遺贈に関する基礎知識から、登録免許税がいくらになるのか、それ以外の税金は何があるのかなど、詳しく解説しています。

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遺贈とは?

遺贈は、遺言によって法定相続人以外の第三者に、財産を贈与することです。

贈与と似ていますが、贈与と遺贈の違いは「受け取る側の合意の有無」です。

  • 贈与:双方が意思表示することで財産を贈与する方法
  • 遺贈:譲られる側の意思とは無関係に譲る側が一方的な遺言で贈与する方法

財産を譲る側が与える、譲られる側が受け取ると意思表示をすることによって、財産を贈与した場合が、贈与に該当します。

譲られる側の意思とは関係なく、財産を譲る側が与えると意思表示して、財産を贈与すると、遺贈に該当するというわけです。

そのため、両者の違いは、「受け取る側の合意の有無」によって異なることが一番の特徴になります。

遺贈者と受遺者と遺贈義務者

遺贈によって、財産を譲る側を「遺贈者」といい、譲られる側を「受遺者」といいます。

また、遺贈による所有権移転登記をする場合は、「受遺者」単独ではできず、「遺贈義務者」の共同申請となる点に注意しましょう。

「遺贈義務者」とは、遺贈に伴う手続きや不動産や財産の引渡しなどを実行すべき義務を負う者のことを指し、遺贈義務者となれるのは、「相続人(法定相続人)」だけです。

不動産名義変更に課される税金

遺贈により不動産を贈与された場合は、不動産登記の名義変更をする必要があります。

名義変更は第三者に対抗するための手段ですので、必ず不動産を贈与されたら所有権の移転登記を行いましょう。

なお、その際に不動産の名義変更で課される税金が、登録免許税となります。

登録免許税とは?

登録免許税は土地建物や抵当権を登記する時に法務局(登記所)に現金で納付。3万円以下は収入印紙でもOK

登録免許税は 『不動産の所有権移転登記に伴って課される税金』 です。

不動産の売買や贈与、遺贈などによる所有権変更の際に支払われます。

ちなみに、土地や建物の不動産以外にも、抵当権を登記する時に登録免許税が課税されます。

抵当権とは

住宅ローンを金融機関から借りた際、万が一、返済できない場合に備えて、土地や建物を担保とする権利のこと

遺贈による登録免許税の計算方法

遺贈による登録免許税の計算式は以下の通りです。

遺贈による登録免許税の計算式

登録免許税額=不動産の価額(課税標準)×税率

登録免許税額は、課税標準に税率をかけて求められます。(国税庁:登録免許税の税額表

課税標準

課税標準とは、遺贈される不動産の評価額のことです。

この課税標準は、都道府県税事務所や市町村役場に備えられている固定資産課税台帳の固定資産税評価額が適用されます。

紛失している場合は、市町村役場で証明書を発行することも可能です。

登録免許税の税率

登録免許税の税率は以下の通りです。

登記の種類 対象者 本則税率
遺贈による所有権移転登記(土地) 相続人以外 2.0%
法定相続人 0.4%
相続による所有権移転登記(土地) 法定相続人 0.4%

遺贈の登録免許税の税率には、「2.0%」と「0.4%」の2つがあります。

2つの税率の違いは、誰が受取人なのかによって異なります。

相続人以外の第三者へ遺贈する場合は、原則的に贈与の場合と同じく、「2.0%」の税率となります。

しかし、受遺者が相続人の場合は、相続を原因をとする所有権移転登記のため、「0.4%」の税率が適用されるというわけです。

受遺者が相続人か相続人以外の第三者なのかによって、登録免許税の課税額は5倍違います。

これが、登録免許税で5倍違うと言われる理由です。

登録免許税計算例

具体的な登録免許税の計算方法を理解するために、いくつか計算例を示します。

  • 受遺者は相続人以外の第三者
  • 遺贈された土地の課税標準は、1,500万円

受遺者は相続人以外の第三者ですので、登録免許税の税率は「2.0%」が適用され

1,500万円×2.0%=30万円

が、登録免許税となります。

  • 受遺者は法定相続人
  • 遺贈された土地の課税標準は、1,500万円

受遺者は法定相続人ですので、登録免許税の税率は相続と同じく「0.4%」が適用され

1,500万円×0.4%=6万円

となります。

相続人か相続人以外の第三者なのかによって、5倍違いがありますので、不動産を遺贈された方は、登録免許税を支払うだけの現金を用意しなければいけません。

登録免許税以外の税金

遺贈による不動産を贈与された場合は、登録免許税以外にも、関連する税金が存在します。

不動産を遺贈すると発生する可能性がある税金は以下の通りです。

  • 登録免許税
  • 相続税
  • 不動産取得税

相続税

相続税は相続人が財産を受け取る際に課される税金です。

遺贈は贈与税が課税されるのではないかと勘違いされる方も多いですが、遺贈の受遺者が相続人以外の第三者であっても相続税が課せられます。

不動産取得税

不動産取得税は、不動産の所有権移転に伴って課される税金です。

財産を指定して行う特定遺贈により、相続人以外の第三者が不動産を取得した場合のみ、不動産取得税が発生します。

そのため、相続により不動産取得した場合の不動産取得税は非課税となります。

特定遺贈かつ、受遺者が相続人以外の第三者に該当する場合は、不動産取得税もちゃんと収めましょう。

こちらについては、「遺贈での不動産取得税の計算方法と納税義務の3つの条件」で詳しくまとめていますので、ご確認ください。

まとめ

遺贈による登録免許税は、遺贈者が負担する税金ですが、受取人や関係者の続柄によって税率が異なります。

ご自身が相続人か相続人以外の第三者なのか、特定遺贈なのかどうかを確認して、納税しなければいけない税金とその金額を計算しましょう。

建築士・宅地建物取引士・建築積算士・被災建築物応急危険度判定士・SEOコンサルタント

分離発注で家建築。
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不動産取得時にかかる税金
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