住宅ローンの金利計算は難しいと思っていませんか?
2つの返済方法と計算式を知っていれば、1分もかからずに、電卓で住宅ローンの返済額を求められます。
今回は、電卓を使って、誰でも簡単に住宅ローンの返済額を計算する方法を、分かりやすく解説します。
- 元利均等返済と元金均等返済の違い
- 住宅ローン返済額の計算式
- 電卓を使った簡単な計算方法
- 【おまけ】電卓が無くてもGoogle電卓で簡単に計算する方法
住宅ローンの返済方法
住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。
- 元利均等返済
- 元金均等返済
元利均等返済
元利均等返済とは 『元金分と利息分を合わせた返済額が毎月一定となる返済方法』のことです。
毎月返済額が一定のため、住宅ローンの返済計画を立てやすいのが特徴です。
と覚えておくと、元金均等返済と「どっちがどっちだったか」迷いません。
元金均等返済
元金均等返済とは 『元金分を毎月均等にして、利息と合わせて返済する方法』のことです。
返済当初の返済額は高くなりますが、返済が進むと返す金額が少なくなるのが特徴です。
「元利均等返済」と「元金均等返済」には、どちらもメリット・デメリットがあります。
どちらの返済方法がいいか悩んでいる方は【 元利均等返済と元金均等返済の違いは?住宅ローン返済はどっちがお得? 】を確認して、ご自身にあった返済方法を選択しましょう。
計算に必要な電卓の機能
まず、電卓で計算する方法を説明する前に、住宅ローン返済額の計算式には、「べき乗」が含まれているため、べき乗の電卓操作をマスターしましょう。
「べき乗機能の電卓を持ってない!」という方は、google検索から計算できます。
「電卓が無くてもGoogle電卓で簡単に計算する方法」でgoogle電卓の使い方を紹介していますので、後で確認しましょう。
シャープ系の電卓
「an」をシャープ系の電卓で、計算する場合は、
で計算できます。([=]は n-1回押します)
例えば、「24」を求める場合は、
と表示されます。
4乗なら「4-1」で3回「=」を押下、6乗なら「6-1」で5回「=」を押下するのがポイントです。
カシオ系の電卓
「an」をカシオ系の電卓で、計算する場合は、
で計算できます。([=]は n-1回押します)
例えば、「23」を求める場合は
と表示されます。
[=]を押下する回数は、シャープ系の電卓と同じですが、[×]の回数に注意してください。カシオ系の電卓の場合は、[×]を2回押下することで、べき乗のモードに切り替わります。
この方法を使って、電卓でべき乗を計算できますが、住宅ローン返済額を求める計算式のn乗の「返済回数」は、
- 15年なら180回
- 20年なら240回
- 30年なら360回
と、かなりの回数押下しなければならず、現実的でありません。
例えば、返済回数が180回を、効率的に計算する場合は、
で分けて計算することもできます。
それでも、もっと簡単に計算したい方は、関数電卓がオススメです。
関数電卓
関数電卓には、べき乗を計算するための機能が搭載されています。
べき乗機能ボタンの表記は
- x■(カシオ系)
- yx(シャープ系)
- xy(Windows電卓)
などがあり、こちらの機能を利用すれば、簡単にべき乗計算ができます。
例えば、
を計算する場合は、まず「5」を押します。
次に、べき乗機能ボタンの「xy」を押します。
次に3乗の「3」を押します。
最後に「=」を押すと、答えの「125」が計算されます。
シャープ系・カシオ系の電卓もべき乗機能ボタンの使い方は同じです。
元利均等返済住宅ローン返済額の計算方法
元利均等返済の住宅ローン返済額を求める計算式は、こちらです。
【月利=金利÷12】【n=返済回数(月)】
月利
月利とは 『借入金額に対して月単位でかかる利息』 のことです。
住宅ローンの金利は、年単位の年利で記載されていますので、毎月の返済額を求める場合は、12ヶ月で割って月利にします。
例えば、金利1.2%の場合の月利は、
となります。
もしも、毎年の住宅ローン返済総額を計算したい場合は、年利のままで計算すると、毎年の住宅ローン返済総額が求められます。
返済回数
nの返済回数は 『毎月支払う回数』のことです。
例えば、返済期間30年の場合は、
が返済回数となります。
年数 | 返済 回数 |
年数 | 返済 回数 |
年数 | 返済 回数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | 21 | 252 | 41 | 492 |
2 | 24 | 22 | 264 | 42 | 504 |
3 | 36 | 23 | 276 | 43 | 516 |
4 | 48 | 24 | 288 | 44 | 528 |
5 | 60 | 25 | 300 | 45 | 540 |
6 | 72 | 26 | 312 | 46 | 552 |
7 | 84 | 27 | 324 | 47 | 564 |
8 | 96 | 28 | 336 | 48 | 576 |
9 | 108 | 29 | 348 | 49 | 588 |
10 | 120 | 30 | 360 | 50 | 600 |
11 | 132 | 31 | 372 | ||
12 | 144 | 32 | 384 | ||
13 | 156 | 33 | 396 | ||
14 | 168 | 34 | 408 | ||
15 | 180 | 35 | 420 | ||
16 | 192 | 36 | 432 | ||
17 | 204 | 37 | 444 | ||
18 | 216 | 38 | 456 | ||
19 | 228 | 39 | 468 | ||
20 | 240 | 40 | 480 |
電卓を利用した住宅ローン返済額の計算例
それでは、実際に電卓を利用して、こちらの条件で、元利均等返済の住宅ローン返済額を求めます。
金利タイプ | 固定金利 | 借入金額 | 3,500万円 |
---|---|---|---|
返済方法 | 元利均等返済 | 返済期間 | 30年 |
金利(年利) | 1.2% | 返済回数 | 360回(30年×12ヶ月) |
月利 | 0.1%(1.2%÷12ヶ月) |
まず、住宅ローンの計算式に条件の値を当てはめると、このようになります。
こちらの計算式を電卓で入力すると、毎月の返済額「115,818円」が求められます。
こちらの動画では、計算式と同じように計算しましたが、電卓の中にはカッコ計算ができないものもあります。
その場合は、「M+」「RM(カシオ系はMR)」のメモリー機能を使いましょう。
メモリー機能を使って計算する場合は、分母から計算してメモリー機能で記憶させておくのがポイントです。
メモリー機能を使った方法でも、同じように「115,818円」が求められました。(1+0.1%は「1.001」で入力)
毎年の住宅ローン返済額を求めるには?
計算例では、毎月の住宅ローン返済額を求めましたが、毎年の住宅ローン返済額を求めたい場合は、こちらの計算式で求めます。
【n=返済回数(年)】
「月利」が「年利」に変っただけですね。
「n」の返済回数も年単位になります。
先ほどの条件に当てはめて、毎年の住宅ローン返済額を求めると
になります。
元金均等返済住宅ローン返済額の計算方法
元利均等返済の住宅ローン返済額を求める計算式は、こちらです。
元金均等返済では毎回返済額が変わるため、「x」に何回目かを指定して、x回目の返済額を計算しましょう。
【月利=金利÷12】【n=返済回数(月)】【x=回目】
x回目
月利と返済回数については、元利均等返済と同様に 『借入金額に対して月単位でかかる利息』と『毎月支払う回数』を代入すれば問題ありません。
x回目は 『返済回数のうちの何回目分か』のことです。
例えば、5年目はじめの返済額を知りたい場合のx回目は、
となります。
電卓を利用した住宅ローン返済額の計算例
それでは、実際に電卓を利用して、こちらの条件で、元金均等返済の住宅ローン返済額を求めます。
金利タイプ | 固定金利 | 借入金額 | 3,500万円 |
---|---|---|---|
返済方法 | 元金均等返済 | 返済期間 | 30年 |
金利(年利) | 1.2% | 返済回数 | 360回(30年×12ヶ月) |
月利 | 0.1%(1.2%÷12ヶ月) |
1回目の返済額
まず、1回目の返済額を求めると、以下の計算式になります。
こちらの計算式は、関数電卓でなくても簡単に計算できるので求めると、1回目の返済額は「132,222円」になります。
元利均等返済の毎月返済額は「115,818円」でしたので、元金均等返済の方が返済当初は高いことが分かります。
100回目の返済額
次は、100回目の返済額を求めると、以下の計算式になります。
こちらの計算式を求めると、100回目の返済額は「122,597円」になります。
最終回目の返済額
次は、最終360回目の返済額を求めると、以下の計算式になります。
こちらの計算式を求めると、最終360回目の返済額は「97,319円」になります。
返済当初と比べると大分返済額が減っているのが分かります。
元金均等返済住宅ローン返済額の計算方法は、単純な計算式ですので、一般の電卓でも簡単に求めることができます。
電卓が無くてもGoogle電卓で簡単に計算する方法
「べき乗機能の電卓を持ってない!」という方、お待たせいたしました。
べき乗機能の電卓を持っていなくても、Google電卓を利用すれば、簡単に計算することもできます。
Google電卓の使い方は、とても簡単で「Google検索ボックスに計算式を入力して検索する」だけです。
例えば、先ほど関数電卓で住宅ローンの毎月返済額を計算した
をGoogle電卓で計算する場合は、
を検索ボックスに入力して検索すると、以下のように住宅ローンの毎月返済額が計算されます。
先ほどの関数電卓の結果と同じように元利均等返済住宅ローンの毎月返済額を求めることができます。
手元に関数電卓がない方は、Google電卓を利用して住宅ローンの返済額を求めましょう。
まとめ
ここまで、電卓を使って、住宅ローンの返済額を計算する方法を、解説しました。
住宅ローンの返済額を求める方法は、電卓以外にも色々あります。
- シミュレーションサイト
- エクセルの関数
- 返済額早見表(借入金額100万円当たりの毎月返済額)
- 電卓
- アプリ
じっくり比較検討したい方には、エクセルを使ったシュミレーションがお勧めです。
全体的にざっくり知りたい方は、シミュレーションサイトや電卓、アプリ、返済額早見表を使って求めたほうが早いです。
どれを利用しても結果はほぼ同じですので、現在ご自身が求めている情報を得られるものを利用しましょう。
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- シミュレーション結果の比較と計算根拠
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