住宅ローン控除の確定申告をした場合は、すでに支払った所得税から住宅ローン控除額分が還付金として戻ってきます。
住宅ローン控除の確定申告のときに振込先を記入したけど、いつ還付金が戻ってくるのか気になる方も多いです。
今回は、住宅ローン控除の確定申告をしてから、所得税の還付金がいつ戻ってくるのか振り込まれる時期について、わかりやすく解説していきます。
- 確定申告の還付金とは
- 還付金の還付時期
- 2年目から還付金が振り込まれない理由
- 住民税は還付金ではなく減額
確定申告の還付金とは?
確定申告の還付金 『一度納めた所得税から、多く支払った分を納税者に返還する税額』 のことです。
その納税者に返還される税額のことを「還付金」といいます。
住宅ローン控除を受けるには確定申告が必要
住宅ローンを利用して住宅を購入した場合、所得税や住民税から控除できる住宅ローン減税制度があります。
正式には「住宅借入金等特別控除」という名称で、住宅ローン控除や住宅ローン減税とも呼ばれます。
この住宅ローン減税制度を利用する場合は、一定の条件を満たした上で、確定申告をしなければいけません。
必要書類と確定申告書を税務署へ提出することで、はじめて住宅ローン控除を受けられ、所得税から還付金を受け取ることができます。
住宅ローン控除の確定申告の方法については【 住宅ローン控除の確定申告の時期はいつ?申告の流れを徹底解説! 】をご確認ください。
還付金の還付時期はいつ?
還付金を受け取るためには、住宅ローン控除の確定申告をしなければいけませんが、所得税を申告する確定申告の時期は、「翌年2月16日から3月15日まで」の期間です。(2020年の確定申告時期は2月17日~3月16日)
住宅ローン控除の還付金が振り込まれる時期は、確定申告をしてから、おおむね1ヶ月から1ヶ月半程度かかります。
例えば、3月1日に確定申告をしたら、おおむね4月1日~4月15日程度に確定申告書に記載した振込先へ還付金が振り込まれます。
還付金が振り込まれるまで、なぜ1ヶ月以上かかるかというと、所得税及び復興特別所得税と消費税及び地方消費税の確定申告期間中は、大量の確定申告書が提出されるため、還付金の支払手続に1ヶ月から1ヶ月半程度要するということです。(国税庁の「 確定申告期に多いお問合せ事項Q&A【税金の還付】」)
ただし、電子申告(e-Tax)を利用して還付申告をした場合は、3週間程度で処理され、繁忙期でない1月・2月に提出した場合は、2~3週間程度と還付時期が早くなります。
住宅ローン控除の確定申告は1月1日からできる
一般的な確定申告の時期は、「翌年2月16日から3月15日まで」の期間ですが、給与所得者の場合は、1月1日からでも確定申告ができます。
公務員や会社員などの給与所得者は、通常年末調整で所得税を申告するため、確定申告をする必要がありません。
住宅ローン控除を受ける場合は、初年度に確定申告をしなければいけませんが、厳密に言えば確定申告ではなく「還付申告」になります。
還付申告は、「その年の翌年1月1日から」申告できることになっており、一般の確定申告時期よりも早く提出することができます。
例えば、2019年5月15日に新築住宅を購入したら、2020年1月1日から住宅ローン控除の確定申告(還付申告)ができます。
もしも、早く還付金を受け取りたい方は、翌年の1月から早めに住宅ローン控除の確定申告をするか、電子申告(e-Tax)を利用して還付時期を早めましょう。
還付申告の期限に注意
還付申告は、その年の翌年1月1日から申告ができますが、還付金を受け取れる期限が設けられています。
還付申告の期限は、その年の翌年1月1日から5年間です。
例えば、2019年12月1日に新築住宅を購入した場合、還付申告ができる期間は「2020年1月1日から2024年12月31日まで」の5年間となります。
還付申告期限をすぎると、住宅ローン控除の還付が受けられませんので、必ずマイホームを購入した翌年には、住宅ローン控除の確定申告(還付申告)をしましょう。
国税還付金振込通知書
還付金の還付時期は、おおむね1ヶ月から1ヶ月半程度とありますが、中にはそれ以上かかるケースもあります。
住宅ローン控除の還付金が振り込まれるかどうかは、「国税還付金振込通知書」が届いているか確認しましょう。
住宅ローン控除の還付金はいきなり振り込まれるのではなく、「国税還付金振込通知書」が届いた後に振り込まれます。
国税還付金振込通知書とは 『還付金の金額と入金日を通知するために送付される書類』 のことです。
国税還付金振込通知書には、「(注)入金まで、金融機関の休日を除き4・5日程度要する場合があります。」と記載されていますので、実際の入金には、4~5日程度かかります。
もしも、還付時期が過ぎても「国税還付金振込通知書」が届かない場合は、管轄の税務署へ電話して確認しましょう。
振り込まれた金額の確認
振り込まれた還付金が正しいか確認したい場合は、国税還付金振込通知書の「支払金額」と確定申告時に提出した確定申告書(第一表)控えの「還付される税金」を確認しましょう。
国税還付金振込通知書の「支払金額」と確定申告書の「還付される税金」が同じであれば、問題ありません。
2年目からは還付金が振り込まれない!?
給与所得者の場合は、初年度に確定申告をすれば、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除の申請ができます。
年末調整とは 『1年間の所得税を再計算して、源泉徴収された金額から過不足金額を調整する作業』 のことです。
勤務先で、多く支払った税金を調整しますので、1年目のような国税還付金振込通知書が届いてから還付金が振り込まれるのではなく、会社から還付金が振り込まれます。
一般的には、12月あるいは翌年の1月の給与に合算して振り込まれることが多いです。
2年目に国税還付金振込通知書が届いていないと勘違いしないようにしましょう。
2年目以降の確定申告・年末調整の方法については、以下で詳しく解説していますので、ご確認ください。
給与所得者の方
2年目の住宅ローン控除の確定申告は?必要書類の書き方マニュアル
- 給与所得者の住宅ローン控除の確定申告
- 2年目以降は確定申告不要
- 住宅ローン控除を受けるための年末調整の流れ
- 年末調整に必要な2つの書類
個人事業主の方
自営業の住宅ローン控除は2年目以降も確定申告が必要!
- 自営業の住宅ローン控除の確定申告
- 2年目以降も確定申告が必要
- 2年目以降の確定申告に必要な書類
- 2年目以降の住宅ローン控除確定申告の流れ
住民税は還付金ではなく減額
住宅ローン控除は、まず所得税から控除されますが、控除しきれなかった場合は、住民税からも控除できます。
そのため、住民税からも還付金がもらえると思っている方も多いです。
よく「住宅ローン控除 住民税 還付方法」 などで検索される方がいますが、基本的に住民税から住宅ローン控除を受ける場合は、還付されるのではなく「減額」されます。
住民税は翌年度から納付
所得税は、「その年」の所得をもとに計算されますが、住民税は「前年度」の所得をもとに計算されます。
よって、住民税から住宅ローン控除額が差し引かれるのは、翌年度の6月以降です。
例えば、2019年12月5日に新築住宅を購入した場合、2020年3月15日までに2019年分の住宅ローン控除の確定申告をして、所得税が確定します。
そして、前年度の所得をもとに、各市区町村が住民税額を計算して、2020年6月から2019年分の住民税の支払いが開始されます。
各市区町村が住民税額を計算する際に、住宅ローン控除額を差し引いて住民税を確定させるため、納税する前に減額されたことになります。
還付金は、一度納めた税金から多く支払った分を還付金として受け取れますが、住民税はまだ納税していませんので、基本的には住民税からの住宅ローン控除は、還付金で受け取れません。
住民税自体、翌年度の6月以降から納付する仕組みとなっていますが、公務員や会社員などの「給与所得者」と自営業やフリーランスなどの「個人事業主」では、支払う方法が異なります。
住民税の納付する仕組みについては【 いつから住宅ローン控除分が住民税から差し引かれる? 】で詳しく解説していますので、ご確認ください。
まとめ
ここまで、住宅ローン控除の確定申告をしてから、所得税の還付金がいつ戻ってくるのか振り込まれる時期について、わかりやすく説明してきました。
確定申告をしてから、住宅ローン控除の還付金が振り込まれる時期は、おおむね1ヶ月から1ヶ月半程度かかります。
還付金が振り込まれる4~5日前に「国税還付金振込通知書」が届きますので、まずはそちらを確認しましょう。