住宅ローン控除を受ける場合は、初年度に必ず確定申告をする必要があります。
確定申告をする際に必要書類を提出しますが、以下のような要件によって提出する書類に若干の違いあります。
- 公務員や会社員などの「給与所得者」と自営業やフリーランスなどの「個人事業主」
- 初年度と2年目以降の確定申告
- 認定住宅や中古住宅取得による特例をうけたとき
今回は、住宅ローン控除の確定申告時に、提出する必要書類の種類や入手方法について、わかりやすく解説しています。
- 新築住宅で確定申告に必要な書類
- 認定住宅で確定申告に必要な書類
- 中古住宅で確定申告に必要な書類
- 2年目以降の確定申告・年末調整に必要な書類
住宅ローン控除の確定申告に必要な書類
住宅ローン控除を受けるための確定申告書の必要書類は、公務員や会社員など会社から給与をもらっている「給与所得者」とフリーランスや自営業などの「個人事業主」では、若干の違いがあります。
初年度の確定申告に必要な書類 | |||
---|---|---|---|
書類名 | 給与所得者 | 個人事業主 | 入手・依頼先 |
確定申告書A | ● | 税務署、国税庁HP | |
確定申告書B | ● | 税務署、国税庁HP | |
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | ● | ● | 税務署、国税庁HP |
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 | ● | ● | 借入先の金融機関 |
源泉徴収票(平成31年4月1日以後の確定申告では、添付不要になりました。) | 勤務先 | ||
土地や建物の登記事項証明書 | ● | ● | 法務局 |
土地や建物の売買契約書または建築請負契約書【写し】 | ● | ● | 本人 |
本人確認書類【写し】 | ● | ● | 本人 |
※本人確認書類・・・「マイナンバーカード」または「番号確認書類と身元確認書類の2つの書類」 | |||
2年目以降の確定申告・年末調整に必要奈書類 | |||
書類名 | 給与所得者 | 個人事業主 | 入手・依頼先 |
確定申告書A | 税務署、国税庁HP | ||
確定申告書B | ● | 税務署、国税庁HP | |
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | ● | 税務署、国税庁HP | |
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 | ● | ● | 借入先の金融機関 |
本人確認書類【写し】 | ● | 本人 | |
「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」 | ● | 税務署 |
「給与所得者」は、確定申告書Aで源泉徴収票が必要で、「個人事業主」は、確定申告書Bで源泉徴収票は必要ありません。
住宅の種類別に確定申告に必要な書類
取得した住宅の種類によっては、以下のように提出する書類が増えますので、どの住宅を購入したのかしっかり理解した上で、必要書類を用意しましょう。
書類名 | 新築住宅 | 認定住宅 | 中古住宅 | 入手・依頼先 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
長期優良住宅 | 低炭素住宅 | 低炭素住宅とみなされる 特定建築物 |
|||||
確定申告書Aまたは確定申告書B | ● | ● | ● | ● | ● | 税務署、国税庁HP | |
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | ● | ● | ● | ● | ● | 税務署、国税庁HP | |
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 | ● | ● | ● | ● | ● | 税務署、国税庁HP | |
源泉徴収票(平成31年4月1日以後の確定申告では、添付不要になりました。) | 借入先の金融機関 | ||||||
土地や建物の登記事項証明書 | ● | ● | ● | ● | ● | 勤務先 | |
土地や建物の売買契約書または建築請負契約書【写し】 | ● | ● | ● | ● | ● | 法務局 | |
本人確認書類【写し】 | ● | ● | ● | ● | ● | 本人 | |
長期優良住宅建築等計画の認定通知書【写し】 | ● | 不動産会社、建築業者 | |||||
いずれか1つ | 住宅用家屋証明書【原本又は写し】 | ● | 市区町村 | ||||
認定長期優良住宅建築証明書 | 建築士等 | ||||||
低炭素住宅建築等計画の認定通知書【写し】 | ● | 不動産会社、建築業者 | |||||
いずれか1つ | 住宅用家屋証明書【原本又は写し】 | ● | 市区町村 | ||||
認定低炭素住宅建築証明書 | 建築士等 | ||||||
住宅用家屋証明書(特定建築物用)【写し】 | ● | 市区町村 | |||||
耐火建築物で築25年、木造住宅で築20年を超える住宅を購入したときに必要な書類 | |||||||
いずれか1つ | 耐震基準適合証明書 | ● | 建築士等 | ||||
建設住宅性能評価書(耐震等級1以上)【写し】 | 登録住宅性能評価機構 | ||||||
既存住宅売買瑕疵担保険の保険付保証明書 | 住宅瑕疵担保責任保険法人 | ||||||
要耐震改修住宅を購入したときに必要な書類 | |||||||
いずれか1つ | 建築物の耐震改修計画の認定申請書【写し】及び耐震基準適合証 明書 |
● | 建築士等 | ||||
耐震基準適合証明申請書【写し】及び耐震基準適合証明書 | 建築士等 | ||||||
建設住宅性能評価申請書【写し】及び建設住宅性能評価書【写し】 | 登録住宅性能評価機構 | ||||||
既存住宅売買瑕疵担保険の保険付保証明書 | 住宅瑕疵担保責任保険法人 | ||||||
(A)増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕又は大規模の模様替えの工事をしたときに必要な書類 | |||||||
建築確認済証【写し】 | ● | 指定確認検査機関 | |||||
いずれか1つ | 検査済証【写し】 | ● | 指定確認検査機関 | ||||
増改築等工事証明書 | 建築士等 | ||||||
(A)以外の改修工事をしたときに必要な書類 | |||||||
増改築等工事証明書 | ● | 建築士等 | |||||
住宅取得等資金の贈与の特例を受けるときに必要な書類 | |||||||
贈与税の申告書など住宅取得等資金の額を証する書類【写し】 | ● | ● | ● | ● | ● | 税務署、国税庁HP |
ここからは、以下の住宅の種類別に住宅ローン控除の確定申告に必要な書類を詳しく説明していきます。
- 新築住宅
- 認定住宅
- 中古住宅
新築住宅で確定申告に必要な書類
新築住宅を取得したときに、住宅ローン控除を受けるための確定申告の必要書類は、以下の7つです。
- ①確定申告書Aまたは確定申告書B
- ②(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- ③住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
- ④源泉徴収票
- ⑤土地や建物の登記事項証明書
- ⑥土地や建物の売買契約書または建築請負契約書【写し】
- ⑦本人確認書類【写し】
①確定申告書Aまたは確定申告書B
確定申告書とは 『1年間の収入に対する所得税を計算するための書類』 です。
確定申告書には、AとBの2つの申告書がありますが、確定申告書Aは、確定申告書Bの簡易版のようなものです。
確定申告書A
画像をクリックすると拡大します。
確定申告書Aは、10ある所得区分のうち、以下の4つの所得のみで、前年度の納税額をベースにした予定納税がない場合に利用できる申告書です。
- 給与所得
- 雑所得(公的年金等・その他)
- 配当所得
- 一時所得
公務員や会社員の方は、基本的に確定申告書Aを利用して住宅ローン控除の還付申告をします。
確定申告書B
画像をクリックすると拡大します。
確定申告書Bは、所得の種類にかかわらず、誰でも利用できる申告書です。
自営業やフリーランスなど個人事業主の方は、確定申告書Bを利用して住宅ローン控除の確定申告をします。
会社員であっても副業などの事業所得がある場合は、確定申告書Aに事業所得の項目がないため、確定申告書Bを利用することになるので注意しましょう。
確定申告書A・Bの入手方法
確定申告書Aまたは確定申告書Bの入手方法は、以下の通りです。
- 税務署で入手する
- 国税庁のホームページからダウンロードする
税務署で入手する
確定申告書は、税務署に常備されていますので、最寄の税務署で入手してください。
確定申告書Aと確定申告書Bを間違わないように注意しましょう。
国税庁のホームページからダウンロードする
確定申告書は、国税庁のホームページからダウンロードできます。
確定申告書A・Bの書き方
確定申告書Aまたは確定申告書Bの書き方について詳しく知りたい方は、以下をご確認ください。
住宅ローン控除の確定申告書の書き方マニュアル!記入例の見本も公開
- 確定申告書Aと確定申告書Bの違い
- 確定申告書に必要な書類と入手方法
- 確定申告書Aの書き方
- 確定申告書Bの書き方
②(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書とは 『住宅ローン控除額を計算するための書類』 です。
住宅ローン控除額を計算するための必要な書類
「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」は、住宅ローン控除額の計算や住宅ローン控除の適用条件を満たしているかチェックする目的があります。
住宅ローン控除額を計算するためには、住宅ローンの年末残高や対象住宅の取得にかかった金額などの情報が必要です。
これらの情報が記載されているのが、以下の3つの書類で、こちらも確定申告時の必要書類となります。
- 土地や建物の売買契約書または建築請負契約書・・・購入金額(建築費用)
- 土地や建物の登記事項証明書・・・共有持分、住宅延床面積・敷地面積
- 金融機関などからの住宅ローン借入金残高証明書・・・住宅借入金等の年末残高
住宅借入金等特別控除額の計算明細書の入手方法
住宅借入金等特別控除額の計算明細書の入手方法は、以下の通りです。
- 税務署で入手する
- 国税庁のホームページからダウンロードする
税務署で入手する
住宅借入金等特別控除額の計算明細書は、税務署に常備されていますので、最寄の税務署で入手してください。
正式名称は「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」となっています。
国税庁のホームページからダウンロードする
住宅借入金等特別控除額の計算明細書は、国税庁のホームページからダウンロードできます。
住宅借入金等特別控除額の計算明細書の書き方
住宅借入金等特別控除額の計算明細書の書き方について詳しく知りたい方は、以下をご確認ください。
住宅借入金等特別控除額の計算明細書の書き方まとめ!記入例も公開
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書とは
- 計算明細書作成で必要な3つの書類
- 計算明細書の入手方法(税務署またはダウンロード)
- 計算明細書の書き方(一面・二面)
③住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書とは 『住宅ローンを組んだ金融機関から送られてくる住宅ローンの年末残高が記載されている書類』 です。
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書の入手方法
一般的に毎年10月ごろに、住宅ローンを組んだ金融機関から、「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」が送られてきます。
年末残高等証明書の名称や書式は、金融機関によって違いがありますが、この借入金の年末残高に対して住宅ローン控除額が計算されるため、毎年送られてきます。
住宅ローン年末残高の計算方法
住宅ローン年末残高を計算するには、住宅ローンの計算方法を理解する必要があります。
以下の住宅ローン控除シミュレーターを利用すれば、住宅ローン開始月から住宅ローン年末残高を確認できます。
住宅ローン控除シミュレーション計算ツール!長期優良住宅にも対応
- 年収から計算
- 源泉徴収票から計算(高精度)
- 長期優良住宅対応
- 元利・元金均等返済対応
エクセルで住宅ローン控除額を計算!元利・元金均等別にシミュレーション!
- エクセルツールのダウンロード
- シミュレーションツールの使い方
- シミュレーション結果の比較
- その他のシミュレーション方法
④源泉徴収票
税務署等で確定申告書を作成する場合は、源泉徴収票が必要ですので、忘れずに持っていきましょう。
源泉徴収票とは 『1年間会社から支払われた給与・賞与(ボーナス)と源泉徴収した所得税額を証明する書類』 です。
源泉徴収票を確認すると、会社からいくら支払われたのか、どのくらいの所得税額が徴収されたのかが分かります。
この源泉徴収票をもとに確定申告書に転記していきます。
源泉徴収票の入手方法
源泉徴収票は、年末に勤務先から発行されます。
公務員や会社員など給与所得者は、勤務先から源泉徴収票を入手しましょう。
フリーランスや自営業の個人事業主の場合は、源泉徴収書は不要です。
⑤土地や建物の登記事項証明書
登記事項証明書とは 『土地や建物の所在・面積、所有者の氏名・住所、抵当権などの権利関係が記載されている書類』 です。
登記事項証明書は、主に以下の3部に分けられています。
- 表題部:土地や建物の所在・地番・面積など不動産の物理的状況が記録されている
- 権利部(甲区):所有者の氏名・登記目的・取得年月日・取得原因など所有権に関する事項が記録されている
- 権利部(乙区):抵当権・地上権・賃借権など所有権以外の権利が記録されている
登記事項証明書と登記簿謄本の違いで悩む方もいますが、どちらも証明内容は同じです。
紙をコピーしたものが「登記簿謄本」で、コンピュータ内のデータを印刷したものが「登記事項証明書」という違いだけです。
登記事項証明書は、土地や建物の取得年月日、所有者、面積、持分割合などを確認するために利用します。
土地や建物の登記事項証明書の入手方法
登記事項証明書は、取得した住宅の住所地を管轄している法務局で発行してもらえます。
インターネットを使ったオンラインでの交付請求もできます。
登記事項証明書の発行手数料は、以下の通りです。
入手方法 | 発行手数料 |
---|---|
窓口で書面請求 | 600円 |
オンライン請求で送付 | 500円 |
オンライン請求で窓口交付 | 480円 |
⑥土地や建物の売買契約書または建築請負契約書【写し】
売買契約書とは 『土地や建売住宅・中古住宅を購入する際に不動産会社と契約した書類』 です。
建築請負契約書とは 『住宅の建設やリフォーム工事を行う際に工事請負会社と契約した書類』 です。
売買契約書・建築請負契約書では、土地・建物の「取得年月日」「取得価格」「建物の床面積が50㎡以上であること」「特定取得または特別特定取得に該当すること」を確認するために利用します。
「特別特定取得」とは、住宅の購入費や建築費用に、10%の消費税が含まれている住宅の取得のこと
売買契約書または建築請負契約書の入手方法
売買契約書または建築請負契約書は、契約時に双方契約書を作成しているため、ご自身の手元にあるはずです。
提出する契約書は写し(コピー)となりますので、原本ではなくコピーを必ず提出しましょう。
⑦本人確認書類【写し】
本人確認書類は、①または②のいずれかの【写し】を用意します。
- ①マイナンバーカード
- ②(マイナンバー通知カードまたはマイナンバーが記載されている住民票)+(運転免許証やパスポートなどの本人確認書類)
マイナンバーカード
マイナンバーカードとは 『マイナンバー(個人番号)が記載されている顔写真付のカード』 です。
マイナンバーカードを提出する場合は、マイナンバーカードの表面と裏面の写しを用意します。
本人確認のための身分証明書や自治体サービス、e-Tax等の電子証明書を利用した電子申請などに利用できます。
(マイナンバー通知カードまたはマイナンバーが記載されている住民票)+(運転免許証やパスポートなどの本人確認書類)
マイナンバーカードが用意できない方は、番号確認書類と身元確認書類の2つの書類の写しを用意しなければいけません。
番号確認書類 | 身元確認書類 |
---|---|
・マイナンバー通知カード ・マイナンバーが記載されている住民票 などのうちいずれか1つ |
・運転免許証 ・パスポート ・在留カード ・公的医療保険の被保険者証 ・身体障害者手帳などのうちいずれか1つ |
本人確認書類の入手方法
本人確認書類は、本人が用意する必要があります。
マイナンバーが記載されている住民票は、市役所など住民票を発行できる機関で発行してもらいましょう。
地域によっては、コンビニでも発行できます。
認定住宅で確定申告に必要な書類
新築住宅で長期優良住宅など認定住宅を取得した場合は、「新築住宅で確定申告に必要な書類」と以下の書類が必要となります。
長期優良住宅の場合
- ⑧長期優良住宅建築等計画の認定通知書【写し】
- ⑨以下のいずれか1つ
- 住宅用家屋証明書【原本または写し】
- 認定長期優良住宅建築証明書
低炭素住宅の場合
- ⑧低炭素住宅建築等計画の認定通知書【写し】
- ⑨以下のいずれか1つ
- 住宅用家屋証明書【原本または写し】
- 認定低炭素住宅建築証明書
低炭素住宅とみなされる特定建築物の場合
- ⑧住宅用家屋証明書(特定建築物用)【写し】
⑧長期優良住宅・認定低炭素住宅建築等計画の認定通知書【写し】
認定長期優良住宅や認定低炭素住宅を購入・建築した場合は、それぞれの住宅の認定通知書が確定申告で必要となります。
長期優良住宅・認定低炭素住宅建築等計画の認定通知書の入手方法
認定通知書は、市区町村に認定申請をするとして、交付されます。
不動産会社や建築業者から、申請書類の一式をもらっている場合は、その中に入っていますので確認しましょう。
提出する契約書は写し(コピー)となりますので、原本ではなくコピーを必ず提出しましょう。
⑨いずれか1つの書類
認定長期優良住宅や認定低炭素住宅を購入・建築した場合は、認定通知書以外に以下のいずれか1つの書類を確定申告で必要となります。
- 住宅用家屋証明書【原本又は写し】
- 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅建築証明書
住宅用家屋証明書とは 『登録免許税軽減措置を受ける際に、家屋が住宅用であることを証明するための証明書』 です。
「認定長期優良住宅建築証明書」「認定低炭素住宅建築証明書」とは 『認定住宅の建築等計画に基づいて建築された家屋であることを証明するための証明書』 です。
住宅用家屋証明書の入手方法
住宅用家屋証明書は、市区町村で発行してくれる証明書です。
建物登記の手続きで利用している場合がありますので、司法書士に依頼している場合は、登記関係書類の中に含まれている可能性もあるので、確認しましょう。
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅建築証明書の入手方法
「認定長期優良住宅建築証明書」「認定低炭素住宅建築証明書」は、登録住宅性能評価機関などで発行されます。
不動産会社や建築業者が、認定申請時に一緒にコピーを提出していますので、原本をもらいましょう。
⑧住宅用家屋証明書(特定建築物用)
低炭素住宅とみなされる特定建築物を購入・建築した場合は、特定建築物用の住宅用家屋証明書が確定申告で必要となります。
特定建築物の場合は、認定通知書や建築証明書は必要ありません。
住宅用家屋証明書(特定建築物用)の入手方法
住宅用家屋証明書は、市区町村で発行してくれる証明書です。
建物登記の手続きで利用している場合がありますので、司法書士に依頼している場合は、登記関係書類の中に含まれている可能性もあるので、確認しましょう。
中古住宅で確定申告に必要な書類
中古住宅を取得した場合の必要書類は、「新築住宅で確定申告に必要な書類」とまったく変りません。
ただし、規定の経過年数を超えた中古住宅を購入した場合は、以下のいずれかの書類(新耐震基準に適合していることを証明する書類)が必要となります。
規定の経過年数を超えた中古住宅の場合
- ⑧以下のいずれか1つ
- 耐震基準適合証明書
- 建設住宅性能評価書(耐震等級1以上)の写し
- 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約に係る付保証明書
中古住宅を購入したときの住宅ローン控除を受けるための適用条件として、以下の8つがあります。
- ①住宅ローン控除の適用を受ける年分の合計所得金額が3,000万円以下
- ②住宅ローンの返済期間が10年以上
- ③取得した日から6か月以内に入居し、各年の12月31日まで引き続き住んでいること
- ④住宅の床面積が50㎡以上で、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供されること
- ⑤居住の用に供した年と、その前後の2年ずつの5年間に、5つの特例の適用を受けていないこと
- ⑥生計を一にする親族などからの購入や贈与された住宅でないこと
- ⑦建築後に使用されたものであること
- ⑧以下の3つの条件のうち、いずれかに該当すること
- マンションなどの耐火建築物の場合は、建築後から取得までの経過年数が25年以下
- 木造など耐火建築物以外の場合、建築後から取得までの経過年数が20年以下
- 上記2つに該当しない建物の場合は、新耐震基準に適合していることが証明された建物であること
⑧の条件で、「耐火建築物」で経過年数25年または「耐火建築物以外」で経過年数20年を超える中古住宅を購入した場合は、新耐震基準に適合していることが証明された建物でなければ、住宅ローン控除を受けることができません。
新耐震基準に適合していることを証明するためには、以下のいずれかが必要となります。
- 耐震基準適合証明書の取得
- 建設住宅性能評価書(耐震等級1以上)の取得
- 既存住宅売買瑕疵保険に加入
よって、規定の築年数(経過年数)を超える中古住宅を購入したときは、新耐震基準に適合していることを証明するための、以下のいずれかの書類を確定申告のときに提出しなければいけません。
- 耐震基準適合証明書
- 建設住宅性能評価書(耐震等級1以上)の写し
- 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約に係る付保証明書
耐震基準適合証明書
耐震基準適合証明書とは 『建物が現行の耐震基準を満たしていることを証明する書類』 のことです。
住宅取得の日前2年以内に耐震基準を満たしている証明のための家屋調査が終了したものが対象となりますので、手元にある耐震基準適合証明書の日付が2年以内のものか確認しましょう。
耐震基準適合証明書の入手方法
耐震基準適合証明書は、国土交通大臣が定める耐震基準に適合していることについて、建築士事務所登録をしている建築士や指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、住宅瑕疵担保責任保険法人で発行してもらえます。
耐震基準適合証明書は、不動産取得税や登録免許税の特例を受ける際にも必要となりますので、まとめて入手しておきましょう。
建設住宅性能評価書(耐震等級1以上)の写し
建設住宅性能評価書とは 『建物の安全性や住宅性能の度合いを評価した書類』 のことです。
住宅の性能評価は、当事者ではない国土交通省の登録を受けた第三者機関が行うため、客観的な評価が得られます。
その家屋の取得の日前2年以内に評価されたものが対象で、提出する建設住宅性能評価書は写し(コピー)となりますので、原本ではなくコピーを必ず提出しましょう。
建設住宅性能評価書の入手方法
建設住宅性能評価書は、国土交通省の登録を受けた登録住宅性能評価機構で発行してもらえます。
既存住宅売買瑕疵担保険の保険付保証明書
既存住宅売買瑕疵保険とは 『住宅瑕疵担保責任保険法人による中古住宅の検査と保証がセットになった保険』 のことです。
保険付保証明書は 『既存住宅売買瑕疵保険に加入していることを証する書類』 で、家屋の取得の日前2年以内に締結したものが対象です。
既存住宅売買瑕疵保険の加入は、現行の耐震基準に適合していることが条件となっています。
保険付保証明書の入手方法
既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約に係る付保証明書は、以下の住宅瑕疵担保責任保険法人で発行してもらえます。
- 株式会社住宅あんしん保証
- 住宅保証機構株式会社
- 株式会社日本住宅保証検査機構
- 株式会社ハウスジーメン
- ハウスプラス住宅保証株式会社
- (一財)住宅保証支援機構
2年目以降の確定申告・年末調整に必要な書類
2年目以降は、給与所得者は「年末調整」で、個人事業主は「確定申告」で住宅ローン控除を受けます。
2年目以降に住宅ローン控除の確定申告に必要な書類はこちらです。
書類名 | 給与所得者 | 個人事業主 | 入手・依頼先 |
---|---|---|---|
確定申告書A | 税務署、国税庁HP | ||
確定申告書B | ● | 税務署、国税庁HP | |
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | ● | 税務署、国税庁HP | |
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 | ● | ● | 借入先の金融機関 |
本人確認書類【写し】 | ● | 本人 | |
「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」 | ● | 税務署 |
「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」
「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」は、1枚にまとめられています。
給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書とは 『住宅ローン控除を受けるための申告書』 です。
年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書とは 『前年に住宅ローン控除の適用を受けている証明書』 です。
給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書の入手方法
確定申告をした年の10月ごろに、管轄の税務署から9年分の「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」が送られきます。
住宅ローン控除が受けられる10年間のうち、初年度は確定申告で控除されていますので、2年目以降の9年間分の書類になります。
紛失した場合は、税務署へ申請して再交付してもらえますが、紛失しないようにしっかり保管しましょう。
2年目以降の確定申告・年末調整の方法
給与所得者や個人事業主の2年目以降の確定申告・年末調整の方法については、以下で詳しく解説していますので、ご確認ください。
給与所得者の方
2年目の住宅ローン控除の確定申告は?必要書類の書き方マニュアル
- 給与所得者の住宅ローン控除の確定申告
- 2年目以降は確定申告不要
- 住宅ローン控除を受けるための年末調整の流れ
- 年末調整に必要な2つの書類
個人事業主の方
自営業の住宅ローン控除は2年目以降も確定申告が必要!
- 自営業の住宅ローン控除の確定申告
- 2年目以降も確定申告が必要
- 2年目以降の確定申告に必要な書類
- 2年目以降の住宅ローン控除確定申告の流れ
まとめ
ここまで、住宅ローン控除を受ける時の確定申告に必要な書類がどのようなものがあるかについて、わかりやすく説明してきました。
2年目以降も住宅ローン控除を受けるには確定申告が必要ですが、提出する書類も少なく、難しくありません。