ペアローンとは、夫婦や親子が、それぞれの収入に応じて住宅ローンを借りる方法です。
auじぶん銀行の発表では、3割以上がペアローンを利用しており、20代に限ると、その利用率は6割以上に達しています。
一方、収入合算とは、申込人(主たる債務者)の収入に、配偶者や親子(収入合算者)の収入を合算して住宅ローンを借りる方法です。
二人の収入を合わせるという点では同じですが、収入合算とペアローンの違いはどこにあるのか?と疑問に思う方も多いです。
こちらでは、auじぶん銀行住宅ローンでの収入合算とペアローンの違いについて、詳しくまとめています。
auじぶん銀行住宅ローンでの収入合算とペアローンの違いは?
auじぶん銀行住宅ローンでの収入合算とペアローンの違いは以下の通りです。
単独 | ペアローン | 収入合算 | |
---|---|---|---|
借入の人数(住宅ローン合計本数) | 1人(1本) | 2人(2本) | 1人(1本) |
対象者 | 債務者本人 | ・配偶者または親子関係 ・兄弟または姉妹 ・同居予定の婚約者 ・事実婚 ・同性パートナー |
・配偶者または親子関係(配偶者の親子も含む) ・同居予定の婚約者 ・事実婚 ・同性パートナー |
相手の年収 | なし | 100% | 50% ~ 100% ※金融機関によって違いあり |
住宅ローン控除 | 債務者のみ対象 | 契約者それぞれが対象 | 主たる債務者のみ対象 ※収入合算者は対象外 |
団体信用生命保険 | 債務者のみ加入 | 契約者それぞれが加入 | 主たる債務者のみ加入 ※収入合算者は対象外 |
└債務者が死亡した場合 | ローンは全額0円 | 債務者のローンが0円 | ローンは全額0円 |
└相手が死亡した場合 | 影響なし | 相手名義のローンが0円 | 影響なし |
保証人 | 原則不要 | 契約者それぞれが連帯保証人 | 収入合算者それぞれが連帯保証人 |
収入印紙の節税 | 契約書1部分 | 契約書2部分 | 契約書1部分 |
物件の持分 | 債務者のみ | 契約者同士で按分 | 主たる債務者のみ |
対象者
多くの銀行では、ペアローン・収入合算の対象者を夫婦としていますが、auじぶん銀行では、「同居予定の婚約者」「事実婚」「同性パートナー」も対象者としています。
- 同居予定の婚約者
- 事実婚
- 同性パートナー
ただし、事実婚の相手をペアローン・収入合算の相手にする場合は、本審査時必要書類として住民票などの提出が必要です。
また、同性パートナーの場合は、仮審査申込時の続柄欄に「その他」を入力し、本審査時に、以下の1・2のうち、いずれかの書類を提出する必要があります。
①任意後見契約に係る公正証書の正本または謄本の写し
②任意後見契約に係る登記事項証明書の写し
③合意契約に係る公正証書の正本または謄本の写し2.東京都渋谷区が発行するパートナーシップ証明書または東京都港区が発行するみなとマリアージュカードの写し
詳しい内容については、auじぶん銀行住宅ローンセンターに問い合わせて確認しましょう。
auじぶん銀行住宅ローンの問い合わせ先は、「auじぶん銀行住宅ローンの問い合わせ先(電話)まとめ」で詳しくまとめていますので、ご確認ください。
兄弟または姉妹
ペアローンの対象者には、「兄弟または姉妹」が含まれますが、収入合算には「兄弟または姉妹」を対象とすることができません。
ここが、ペアローン・収入合算の対象者の違いと言えます。
ペアローンの場合は、兄弟または姉妹で、それぞれが個別にauじぶん銀行の住宅ローン審査を受け、審査に通れば利用できます。
住宅ローン控除
住宅ローン控除は、マイホームの新築・取得・増改築等をした際に、住宅ローンを利用して支払った金利に対して所得税が控除される制度です。
控除額は最大40万円で、最大13年間、所得税から軽減されます。
ペアローンの住宅ローン控除
ペアローンの場合は、通常は共同で契約を結んだ申込人それぞれが、自身が借り入れた部分に対して住宅ローン控除の対象となります。
つまり、申込人Aが借り入れた部分については申込人Aが、申込人Bが借り入れた部分については申込人Bが、それぞれ住宅ローン控除を受けることができます。
これは、ペアローンが二人の個人によって組まれる契約であり、それぞれの借り手が自身の借入部分に対して法的責任を負うためです。
したがって、住宅ローン控除の対象となるのも個々の申込人ごとになります。
収入合算の住宅ローン控除
収入合算の場合は、両者の収入が合算され、その合算された収入に基づいて住宅ローン控除の対象額が計算されます。
収入合算で住宅ローンを借りた場合、主債務者のみが住宅ローン控除の対象となります。
そのため、収入合算者(連帯保証人)は、住宅ローン控除を受けることはできません。
住宅ローン控除を受けるためには、主債務者が毎年確定申告をする必要があります。確定申告時に、「住宅借入金等特別控除申告書」を提出する必要があります。
団体信用生命保険の加入
auじぶん銀行の住宅ローンを受ける際は、基本的に団体信用生命保険に加入する必要があります。
ペアローンの場合、お互いが債務者となりますので、それぞれで団体信用生命保険に加入する必要があります。
auじぶん銀行では、以下の団信プランがあります。
ご自身にあったプランを選択しましょう。
- がん50%保証団信(満50までの方)
- がん100%保証団信(満50までの方)
- がん50%保証団信プレミアム(満50までの方)
- 一般団信(満51歳以上の方)
- ワイド団信(満51歳以上の方)
保証人
住宅ローンでは、原則として保証人は不要です。
これは、住宅ローンで購入する物件が担保となるため、金融機関は貸し倒れリスクを回避できると判断するためです。
しかし、以下の場合には、保証人が必要となる場合があります。
ペアローン
ペアローンでは、ペアとなるそれぞれの申込人が、連帯保証人となります。
収入合算
収入合算では、収入合算されるそれぞれの申込人が、連帯保証人となります。
一般的に収入合算には「連帯債務型」「連帯保証型」の2種類があります。
auじぶん銀行住宅ローンの収入合算では、連帯保証型を採用しています。
電子化による収入印紙の節税
auじぶん銀行は、住宅ローン契約書を電子化することで、収入印紙を貼らずに契約できるようになっています。
印紙税を節約できるのは、auじぶん銀行を利用するメリットの1つと言えます。
特にペアローンの場合は、契約書が2部必要となるため、2つの契約書分の印紙税を節約できます。
一方、収入合算は、1人(主たる債務者)の名義で契約を結ぶため、1部の契約書分の印紙税を節約できます。
ペアローンのミックス
ミックスとは、複数の金利タイプを組み合わせる住宅ローンのことですが、ペアローンでも利用することができます。
一人当たり最大2契約となりますので、二人で最大4契約となります。
ただし、保証会社を利用する場合は、ミックスは利用できませんので注意しましょう。
auじぶん銀行住宅ローンのQ&A
こちらは、auじぶん銀行住宅ローンでペアローン・収入合算について、よくある質問についての正式回答になります。
auじぶん銀行住宅ローンのサービス内容になりますので、より詳しく知りたい方は、目を通しておきましょう。
借入金額が1億超える場合の対応
auじぶん銀行の住宅ローンの借入金額の範囲は、500万円以上2億円以下で、10万円単位で設定することができます。
ペアローンを利用する場合、二人の収入合計が考慮されるため、通常の住宅ローンよりも多額の融資を受けることができます。
そのため、中には、借入金額が1億を超える方もいますが、借入金額が1億を超える場合は、保険会社が必要と判断した場合、健康診断結果証明書の提出を求められることがあります。
ただし、いつも受けられている定期健康診断結果通知書が、健康診断結果証明書と同等の所定要件を満たした内容であれば、定期健康診断結果通知書などの写しの提出でもOKです。
その場合は、健診日が告知日から14ヶ月以内で、最新の健康診断結果通知書を提出するようにしましょう。
ちなみに、借入金額が1億以下の場合は、健康診断結果証明書の提出は不要です。(公式回答)
ペアローンの「J:COM NET優遇割」「コミュファ光優遇割」
auじぶん銀行では、「J:COM NET優遇割」「コミュファ光優遇割」という金利優遇制度があります。
これは、「J:COM NET」または「コミュファ光」の加入者が住宅ローンを利用する際に、住宅ローン適用金利から「年0.03%」引き下げるというものです。
こちらの金利優遇制度を受けられるのは、「J:COM NET」または「コミュファ光」の契約者のみです。
例えば、Aさん・Bさんでペアローンを組んだ場合、Aさんが「J:COM NET」または「コミュファ光」の契約者ならば、Aさんだけが金利優遇制度を利用できます。
逆に言えば、Bさんは「J:COM NET優遇割」「コミュファ光優遇割」の金利優遇制度を受けられないということです。
ペアローンの「じぶんでんき」
auじぶん銀行では、「じぶんでんき優遇割」という金利優遇制度があります。
これは、auエネルギー&ライフ株式会社が提供している「じぶんでんき」を契約すると、住宅ローン適用金利から「年0.03%」引き下げるというものです。
こちらも「J:COM NET優遇割」「コミュファ光優遇割」と同様に、金利優遇制度を受けられるのは、契約者のみです。
例えば、Aさん・Bさんでペアローンを組んだ場合、Aさんが「じぶんでんき」の契約者ならば、Aさんだけが金利優遇制度を利用でき、Bさんは利用することができません。
ペアローンの「auモバイル優遇割」
auじぶん銀行では、「auモバイル優遇割」という金利優遇制度があります。
auモバイル優遇割は、auじぶん銀行口座へ登録されているau IDと紐づくau回線が「家族割プラス」に加入し、「家族割プラス」の対象回線、紐づく回線を含め2回線以上存在している場合に、適用される金利優遇制度です。
こちらの条件を満たすと、住宅ローン適用金利から「年0.07%」引き下げられます。
ペアローンの場合、それぞれがこちらの条件を満たせば、それぞれでauモバイル優遇割を受けられますが、現実的ではありません。
まとめ
ここまで、auじぶん銀行住宅ローンでの収入合算とペアローンの違いについて、詳しく解説してきました。
一般的な収入合算とペアローンの違いに加えて、対象者などauじぶん銀行住宅ローン独自の内容もあります。
特に対象者については柔軟な対応をとっていますが、条件を満たすにはいくつかのハードルがあります。
審査を受ける際は必ず、auじぶん銀行に問い合わせて不備がないか確認しましょう。
auじぶん銀行住宅ローンに関する問い合わせ先は「auじぶん銀行住宅ローンの問い合わせ先(電話)まとめ」で詳しくまとめていますので、ご確認下さい。