イタウバがウッドデッキ材に選ばれる特徴としては、「油分を多く含むためささくれが少なく、肌触りがいいことや加工のしやすさ」が挙げられます。
こちらでは、イタウバをウッドデッキ材に考えている方、 ウッドデッキ材の価格相場・格安販売店を調べている方向けに、以下の3つの項目で詳しくまとめています。
- イタウバの特徴まとめ
- イタウバ材の規格サイズ(根太・束柱のピッチ)
- イタウバ材のウッドデッキ価格比較(格安店舗ランキング)
イタウバを使ったウッドデッキ価格の相場感だけを知りたい方は、読み飛ばして「イタウバ材のウッドデッキ価格比較」をご確認ください。
イタウバの特徴まとめ
樹種名 | イタウバ | 比重(kg/m3) | 0.9~1.0 |
---|---|---|---|
別名 | タウブジャオヌ | 加工性 | ★★★★ |
分類 | ハードウッド | 耐久性 | ★★★★ |
耐久年数 | 20年以上 | 防虫性 | ★★★★ |
材色 | 黄茶褐色 | アクの出 | 少ない |
イタウバは、南米ブラジルに生息しており、現地では木造船の材料にも使われるほど耐水性に優れた木材です。
イタウバの特徴をまとめると以下になります。
- 油分が多いためツヤがあり肌触りがいい
- 反りやささくれが少なく、小さな子供やペットを素足で遊ばせたい方向き
- 他のハードウッドと比べてカットやビス打ちがしやすく、DIY初心者向き
- オリーブのような色が、徐々に珈琲のような薄い茶色へ色合いが変わる
- 基本的にメンテナンスフリーで、ささくれも少なく手間がかからない油分が多い
イタウバについては、「イタウバの特徴(長所・欠点)と産地・イタウバフィエラ木材偽装問題」でも詳しく特徴をまとめていますので、合わせて読むと理解が深まります。
イタウバ材の規格サイズ
ウッドデッキ材の規格サイズ(寸法)で多いのが2×4材です。2×4材といっても正確なサイズが決められたものではないので、木材やメーカーによって微妙な誤差があります。
こちらでは、実際にイタウバを販売している通販会社10社の規格サイズを調査して「どのサイズが規格サイズとして採用されているのか」「販売価格はいくらなのか」などをまとめています。
規格サイズ×長さ(mm)
規格サイズ (mm) |
12×105、16×90、 20×90、20×105、20×120、25×145、 30×30、30×105、30×120、30×145、 38×90、45×70、60×60、70×70、90×90 |
---|---|
長さ (mm) |
600、900、 1,000、1,200、1,500、1,800、 2,000、2,100、2,400、2,700、 3,000、3,300、3,600、3,900、 4,000、4,200、4,500、4,800 |
通販会社10社の規格サイズを調査すると規格サイズは15種類、長さは18種類の取り扱いがありました。
セランガンバツなど他の木材では、105角(105×105)の規格サイズがありますが、イタウバでは最大90角(90×90)までしか規格がないようです。
取り扱いが多い木材サイズ
画像をクリックすると拡大します。
こちらは、販売業者10社が取り扱っている木材サイズを集計したものです。表の中の数字は取り扱いがある販売業者の総数を表しています。
色塗りされている木材サイズは、半数以上の販売業者が取り扱っている木材サイズです。中には「16×90」「25×145」「30×30」「38×90」など、1社しか扱っていないような特殊なサイズもあります。
規格サイズ×長さ(mm) | 1,200 | 1,500 | 1,800 | 2,100 | 2,400 | 2,700 | 3,000 | 3,300 | 3,600 | 3,900 | 4,000 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20×105 | 7 | 8 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 9 | 9 | 9 | 6 |
20×120 | 6 | 7 | 7 | 8 | 8 | 8 | 7 | 8 | 8 | 7 | 6 |
30×105 | 8 | 8 | 9 | 9 | 10 | 9 | 10 | 10 | 8 | 8 | 7 |
30×120 | 7 | 8 | 8 | 9 | 9 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 6 |
45×70 | 5 | 7 | 8 | 9 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 6 |
70×70 | 6 | 6 | 9 | 9 | 7 | 7 | 9 | 8 | 9 | 9 | 5 |
90×90 | 6 | 7 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 9 | 10 | 9 | 6 |
表を左にフリックすると、見切れている部分を確認できます。
こちらは、半数以上の販売業者が取り扱っている特に多いも木材サイズのみを抽出したデータになります。
これらは、ウッドデッキの「床板」「大引き」「根太」「根がらみ」「幕板」「束柱」「フェンス板」「笠木」によく使われる一般的なサイズとなります。
規格サイズによって取り扱いがない長さがある
規格サイズ(寸法)については、どの木材であってもほとんど変わりませんが、規格サイズによって取り扱いがない長さがあります。
たとえば、イタウバを使って2m幅のウッドデッキを作りたいと思っても、床板の規格サイズで2mぴったりの長さは10社調査した限りではどこも扱っていません。
電話で問い合わせたところ、「床板の規格サイズで2mのイタウバは規格にない」という回答でした。
イタウバではなくセランガンバツに変更すると2mぴったりの木材が販売されています。
ウッドデッキ作りには、なるべく寸法に合った木材を購入しますが、木材によっては取り扱いがない規格サイズ×長さがありますので、注意してください。
用途に適した規格サイズ
規格サイズ(mm) | 用途 | 規格サイズ(mm) | 用途 |
---|---|---|---|
12×105 | フェンス材 | 30×120 | 床板、大引、笠木 |
16×90 | フェンス材 | 30×145 | 床板、 |
20×90 | 床板、フェンス材 | 38×90 | 根太、 |
20×105 | 床板、幕板、フェンス材 | 45×70 | 根太 |
20×120 | 床板、幕板、フェンス材 | 60×60 | 束柱 |
25×145 | 床板、 | 70×70 | 束柱 |
30×30 | 多目的サイズ | 90×90 | 束柱 |
30×105 | 床板、根太、大引、笠木 |
こちらは、規格サイズ別にウッドデッキ材に使われる用途をまとめたものです。(各業者が販売している用途別の規格サイズ)
この中から用途に適した規格サイズを選択してウッドデッキを作っていきますが、その時に決めなければいけないのが、根太や束柱のピッチ(間隔)です。
イタウバの根太・束柱のピッチ(間隔)
根太や束柱のピッチ(間隔)については、書籍や情報サイトでも統一されたものはありません。
ウッドデッキDIY入門書や木材販売店・ウッドデッキ入門サイト、直接問い合わせなどから得た情報をまとめると以下になります。
- 床板厚さ20mmの場合、根太間隔は500mm以内
- 床板厚さ20mmの場合、根太間隔は450mm以内
- 床板厚さ20mmの場合、根太間隔は500mm~600mm
- 床板厚さ30mmの場合、根太間隔は750mm以内
- 床板厚さ30mmの場合、根太間隔は900mm以内
- 床板厚さ30mmの場合、根太間隔は600mm~900mm
- 床板厚さ30mmの場合、根太間隔は700mm~900mm
- 床板2×4材の場合、300mm~450mm
- 床板2×6材・2×8材の場合、455mm以内
- 床板2×4材・2×8材の場合、600mm以内
- 束柱間隔は600mm~1,000mm
- 束柱間隔は900mm~1,200mm
- 床板2×6材の場合、束柱間隔は1,200mm以内
このようにある程度同じようなピッチ(間隔)ですが、統一されたものはありません。
根太間隔は主に床板の厚みによって若干ことなりますが、木材販売店で推奨されているピッチは他の推奨数値より小さめです。
より安全な数値を推奨し発注量を多くしたいという思惑もあるかもしれませんが、安全重視ならピッチを狭めて、価格重視なら最大ピッチで設計しましょう。
イタウバ材のウッドデッキ価格比較
イタウバ材の木材単価はセランガンバツの次ぐらいに安く、加工のしやすさやメンテナンスの楽さで検討されている方が多いウッドデッキ材です。
当サイトでは「イタウバ ウッドデッキ 価格」で検索される方が多いですが、材料のサイズやウッドデッキ面積が違えば当然合計金額も変わってくるため、価格を比較するのはとても難しいです。
そこで、今回、部材単価の格安店舗調査とウッドデッキ面積・工法別に価格相場を算出しました。
部材単価の格安店舗ランキング
部材単価の価格を調査するにあたって、今回は主に床材に使用される「20mm×105mm×3,900mm」サイズを基準に、価格.com、Amazon、楽天市場、Yahooショッピングなどの主要モールからショッピングモールに出品していない小売店の中で格安で販売している業者トップ10を安い順にまとめています。
通販サイト | 販売価格(税込) | 送料(税込) |
---|---|---|
木工ランド | 2,600円 | 360円/本 (最低送料2,000円) |
デッキ問屋流通センター | 3,100円 | 別途見積 |
【Yahooショッピング】ウッドデッキ通販のDecks(デックス) | 3,150円 | 別途見積 |
ウッドデッキ通販のDecks(デックス) | 3,150円 | 別途見積 |
eco wood | 3,184円 | 別途見積 |
リーベ | 3,300円 | 50~70円/kg (沖縄離島別途見積) |
【楽天市場】木材倉庫ムック | 3,370円 | 別途見積 |
アウトレットタイル販売TileLife(タイルライフ) | 3,471円 | 500円~700円/ケース (別途見積あり) |
工房商店 | 3500円 | 別途見積 |
LIEBE PRO(リーベプロ) | 3,538円 | 別途見積 |
平均販売価格(税込) | 3,237円 |
販売価格としては2,600円~3,538円が相場で、最大で938円の価格差となりました。また、リストに挙げた販売業者の平均販売価格は3,237円となります。
送料は「別途見積」の販売業者もあったため考慮していませんが、本・kg・ケースなどそれぞれの単位で送料を設定している業者もありますので、購入する前に必ず送料がいくらになるのかを確認しましょう。
単純に木材の単価だけで決めてしまうと、ウッドデッキの大きさによっては送料が大きくなり総額で高くつく可能性もあるのでご注意ください。
天然木ならDIYでウッドデッキを作るイメージがありますが、最近は独自のキットで販売している通販会社もあります。
イタウバで気軽に作りたいと考えている方はキットでの購入もオススメです。
ウッドデッキ面積・工法別の価格相場
こちらでは、ウッドデッキ面積を一回りずつ大きくした「3m×2.1mサイズ(6.3㎡)」「3.9m×3mサイズ(11.7㎡)」「5.1m×3.9mサイズ(19.9㎡)」の3パターンと代表的な「大引き工法」「サンドイッチ工法」の2パターンから、以下の条件をもとに合計金額をそれぞれ算出しました。(木材単価は販売業者の平均販売価格に近いリーベの価格を採用)
- 床板サイズ(厚×巾:20mm×120mm)
- 大引きサイズ(厚×巾:90mm×90mm)
- 束柱サイズ(厚×巾:90mm×90mm)
- 根太間隔@500mm~600mm以内
- 束柱間隔@1,200mm以内
- 床板:20mm×120mm×2,100mm 1,599円/本
- 床板:20mm×120mm×3,000mm 2,500円/本
- 床板:20mm×120mm×3,900mm 3,300円/本
- 大引き:90mm×90mm×2,100mm 5,799円/本
- 大引き:90mm×90mm×3,000mm 8,299円/本
- 大引き:90mm×90mm×3,900mm 10,800円/本
- 根太・根がらみ:38mm×90mm×1,200mm 1,300円/本
- 根太・根がらみ:38mm×90mm×2,100mm 2,249円/本
- 根太・根がらみ:38mm×90mm×2,700mm 2,899円/本
- 根太・根がらみ:38mm×90mm×3,000mm 3,249円/本
- 束柱:90mm×90mm×390mm 1,080円/本(3.9m単価から算出)
- フェンス・階段・ステップ・幕板なし
- 束石代・釘代・施工費等含まない(木材の価格のみ)
大引き工法
大引き工法とは、束柱の上に大引の木材を乗せて、大引と垂直方向に床材を敷き詰める工法です。
構造が単純で加工手間も少なくすむので、DIY初心者でも難しくない構造といえます。
3m×2.1mサイズ(6.3㎡)
部位 | サイズ | 本数 | 単価(円) | 小計(円) |
---|---|---|---|---|
床板 | 20mm×120mm×2,100mm | 25 | 1,599 | 39,975 |
大引き | 90mm×90mm×3,000mm | 5 | 8,299 | 41,495 |
束柱 | 90mm×90mm×390mm | 20 | 1,080 | 21,600 |
合計金額(円) | 103,070 | |||
㎡単価 | 16,360円/㎡ |
3.9m×3mサイズ(11.7㎡)
部位 | サイズ | 本数 | 単価(円) | 小計(円) |
---|---|---|---|---|
床板 | 20mm×120mm×3,000mm | 32 | 2,500 | 80,000 |
大引き | 90mm×90mm×3,900mm | 6 | 10,800 | 64,800 |
束柱 | 90mm×90mm×390mm | 30 | 1,080 | 32,400 |
合計金額(円) | 177,200 | |||
㎡単価 | 15,145円/㎡ |
5.1m×3.9mサイズ(19.9㎡)
部位 | サイズ | 本数 | 単価(円) | 小計(円) |
---|---|---|---|---|
床板 | 20mm×120mm×3,900mm | 42 | 3,300 | 138,600 |
大引き | 90mm×90mm×2,100mm | 8 | 5,799 | 46,392 |
大引き | 90mm×90mm×3,000mm | 8 | 8,299 | 66,392 |
束柱 | 90mm×90mm×390mm | 48 | 1,080 | 51,840 |
合計金額(円) | 303,224 | |||
㎡単価 | 15,237円/㎡ |
サンドイッチ工法
サンドイッチ工法とは、束柱の両側にサンドイッチのように根太を挟み込む工法です。
根太を取り付ける際に水平を作るため束石・束柱の施工時に厳密に水平を維持する必要がなく、DIYユーザーにも人気のある工法です。
3m×2.1mサイズ(6.3㎡)
部位 | サイズ | 本数 | 単価(円) | 小計(円) |
---|---|---|---|---|
床板 | 20mm×120mm×2,100mm | 25 | 1,599 | 39,975 |
根太 | 38mm×90mm×3,000mm | 10 | 3,249 | 32,490 |
根がらみ | 38mm×90mm×2,100mm | 4 | 2,249 | 8,996 |
束柱 | 90mm×90mm×390mm | 20 | 1,080 | 21,600 |
合計金額(円) | 103,061 | |||
㎡単価 | 16,358円/㎡ |
3.9m×3mサイズ(11.7㎡)
部位 | サイズ | 本数 | 単価(円) | 小計(円) |
---|---|---|---|---|
床板 | 20mm×120mm×3,000mm | 32 | 2,500 | 80,000 |
根太 | 38mm×90mm×1,200mm | 12 | 1,300 | 15,600 |
根太 | 38mm×90mm×2,700mm | 12 | 2,899 | 34,788 |
根がらみ | 38mm×90mm×3,000mm | 5 | 3,249 | 16,245 |
束柱 | 90mm×90mm×390mm | 30 | 1,080 | 32,400 |
合計金額(円) | 179,033 | |||
㎡単価 | 15,301円/㎡ |
5.1m×3.9mサイズ(19.9㎡)
部位 | サイズ | 本数 | 単価(円) | 小計(円) |
---|---|---|---|---|
床板 | 20mm×120mm×3,900mm | 42 | 3,300 | 138,600 |
根太 | 38mm×90mm×2,100mm | 14 | 2,249 | 31,486 |
根太 | 38mm×90mm×3,000mm | 14 | 3,249 | 45,486 |
根がらみ | 38mm×90mm×1,200mm | 6 | 1,300 | 7,800 |
根がらみ | 38mm×90mm×2,700mm | 6 | 2,899 | 17,394 |
束柱 | 90mm×90mm×390mm | 42 | 1,080 | 45,360 |
合計金額(円) | 28,6126 | |||
㎡単価 | 14,378円/㎡ |
価格比較
大引き工法 | |||
---|---|---|---|
サイズ(幅×奥行) | 3m×2.1m | 3.9m×3m | 5.1m×3.9m |
面積 | 6.3㎡ | 11.7㎡ | 19.9㎡ |
合計金額 | 103,070円 | 177,200円 | 303,224円 |
㎡単価 | 16,360円/㎡ | 15,145円/㎡ | 15,237円/㎡ |
サンドイッチ工法 | |||
サイズ(幅×奥行) | 3m×2.1m | 3.9m×3m | 5.1m×3.9m |
面積 | 6.3㎡ | 11.7㎡ | 19.9㎡ |
合計金額 | 103,061円 | 179,033円 | 286,126円 |
㎡単価 | 16,358円/㎡ | 15,301円/㎡ | 14,378円/㎡ |
今回、約6㎡・約12㎡・約20㎡の3パターンと大引き工法・サンドイッチ工法の2パターンに分けて算出しました。
金額相場では、6㎡が10万円台、12㎡が20万円台、20㎡が30万円台といったところです。
㎡単価を見ると特に大引き工法は、面積が大きいほど小さくなっています。これは、面積が大きくなっても単価の高い大引きが床板と比べて数がそこまで増えないためです。
製作予定のウッドデッキの面積からおおよその金額が把握できますので、予算オーバーの場合は、根太や束柱のピッチ(間隔)を調整しましょう。
まとめ
ここまで「イタウバの特徴」「部材の規格サイズ」「価格相場」の3点について説明しました。改めて要点をまとめると以下になります。
- イタウバがウッドデッキ材に選ばれる特徴としては、「油分を多く含むためささくれが少なく、肌触りがいいことや加工のしやすさ」
- イタウバでは最大90角(90×90)までしか規格がない
- 取り扱っている特に多いも規格サイズは「20×105」「20×120」「30×105」「30×120」「45×70」「70×70」「90×90」
- 木材によって取り扱いがない規格サイズ×長さがあるので、設計段階で寸法には注意が必要
- 根太・束柱のピッチ(間隔)は、調査しても統一性がなく安全重視か価格重視で考えたほうがよい
- ウッドデッキ価格相場は、6㎡~20㎡の範囲で10万円~30万円程度
- 予算オーバーの場合は、根太や束柱のピッチを調整してみる
ウリンやイペなど他の木材も検討中であれば、以下の記事も参考にしてください。
ください。