3階建ての注文住宅を建てる時の相場と費用が高くなる2つの要因

人気の地域に注文住宅を建てようと思っても土地代が高くてあきらめてしまう方もいますが、中にはその地域で安い狭小地を購入して、狭い土地をうまく利用しながら注文住宅を建てようとする方もいらっしゃいます。

狭小地は土地が狭いだけでなく、角が鋭角になっていたり、台形や三角形などの不整形地になっているものも少なくありません。

注文住宅を建てる際には「建ぺい率」「容積率」「高さ制限」といった用途地域毎の制限があり、狭小地では有効的に利用するために3階建てになることが多いのが現状です。

一般的に3階建て住宅は平屋や2階建て住宅より費用が割高で注文住宅の相場から2~3割増しになることもありますが、今回は3階建て住宅の費用が増える要因や注意点、本当に3階建ての注文住宅は割高なのかを解説していきます。

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三階建て住宅で費用が高くなる2つの要因

3階建ての注文住宅を建てる際に費用が高くなると言われている2つの要因は以下になります。法規制によるところが多いですが、安全な暮らしを確保するためには大切な規制です。

  • 3階建て住宅は構造計算が義務付けられている
  • 地盤改良をしなければならない場合がある

三階建て住宅は構造計算が義務付けられている

日本は世界有数の地震国で注文住宅を建てる場合は、まず倒れない建物を建てることが第一です。

建築基準法第20条でも「建築物は、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造のものとして、建築物の区分に応じて定められた基準に適合するものでなければならない。」と定められています。

そして、建築物の区分として「住宅などの木造建築物で階数が3以上のもの」は、安全性を確かめるために構造計算が義務付けられています

基本的に平屋や2階建て住宅は構造計算が義務付けられていないため構造計算の費用はかかりませんし、必要最低限の耐震性があれば建築することができます。「住宅などの木造建築物で階数が3以上のもの」には、木造3階建て住宅が該当するため構造計算が必要となります。

構造計算とは、建物が建物自体の重さである自重や地震・強風による振動・衝撃の外力に対して、どのような力が生じるのかを計算することです。

構造計算を行い、建物の安全性などを判断したら構造計算書を作成して構造計算適合性の判定を受けなえればいけません。

もちろん構造計算や資料作成には費用がかかりますので、この構造計算の費用が3階建て住宅の費用が高くなる要因の1つとなっています。

注文住宅の規模にもよりますが、構造計算の費用としては20~50万円ぐらいが相場となります。

木造3階建て住宅は構造計算が義務付けられているので、構造計算を行わずに注文住宅を建てる平屋や2階建て住宅よりも安全面で高いと言えます。

2階建ての注文住宅でも構造計算を推奨

現在の建築基準法では、安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合していれば構造計算を行った構造計算書が無くても確認申請が通るようになっています。

しかし、木造2階建て住宅等のいわゆる4号建築物と言われているものは、構造計算が義務づけられていないだけで構造チェックをしなくてもよいというわけではありません

建築基準法の4号特例では、4号建築物で建築士の設計した建築物について建築確認申請の審査を簡略化して構わないとされていますが、審査が省略された部分については、「建築士と建築主の責任において法的適合性を確保することが求められる」ともあります。

4号特例はもともと必要な労力に対して効果が薄い審査の書類作成や審査手数料、長期審査期間などの負担を建築主に強いることは好ましくないという理由で設けられたものです。

実際にはこの4号特例により2階建て木造住宅で耐震性など構造部分の検討をしないまま建築されてしまう注文住宅が少なからずあります

確認申請時に資料の提出が求められていないので、本当に技術的基準に適合しているのかは誰にもチェックされません。

3階建ての注文住宅を建てる際には、構造計算が義務付けられているため必要ですが、2階建て住宅は構造計算をしなくても安全というわけではないですし、確認申請が通ったからといって安全性のお墨付きをもらったということではないので、2階建ての注文住宅を建てる際にも構造計算をしてもらったほうが安心です。

ハウスメーカー・工務店・建築設計事務所の中には自主的に構造計算を行う会社もありますので、そういった会社へ依頼するのも施工業者を選択する1つの判断基準となります。

2階建て住宅でも構造計算を行った方が安心

地盤改良をしなければならない場合がある

3階建ての注文住宅を建てる場合は、平屋や2階建て住宅より建物そのものの重量が増えるので、一般的な平屋や2階建て住宅に比べると、地盤調査から地盤改良や基礎工事に費用がかかる場合があります。

地盤調査とは、注文住宅を建てる土地が建物の重さに耐えれるかどうかを調査するもので、強度が弱い軟弱地盤や3階建て住宅の重さに耐えられるだけの強度がない場合は、耐えられるように地盤を強化する地盤改良を行う必要があります。

地盤調査は一般的に以下の3つの方法があります。

  • スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)
  • ボーリング調査
  • 表面波探査法

もっとも安い地盤調査はスウェーデン式サウンディング試験で、費用の相場としては3~10万円程度、もっとも高いボーリング調査では、費用の相場として15~30万円程度となります。

次に地盤改良は一般的に以下の3つの方法があります。

  • 表層改良工法
  • 柱状改良工法
  • 鋼管杭工法

もっとも安い地盤改良は表層改良工法で費用の相場としては40~90万円程度、もっとも高い鋼管杭工法では費用の相場として100万円以上となります。

軟弱地盤が深いほど地盤改良するための費用も高くなるので、土地選びも利便性だけでなく土地の状態なども考慮したほうがよいです。

また、地盤調査は基本的に購入した後に行います。購入する前に自腹で行うこともできますが、その場合は売主の許可が必要です。売主がNGをだしたら購入前に地盤調査することができませんので、まずは仲介役の不動産会社に相談してみましょう。

それと簡易的な情報であれば、Webサービスから調べることもできますので、そういったサービスを利用するのも1つの方法です。

地盤サポートマップ

Screenshot of supportmap.jp

地震サポートマップでは、住所を入力するとその地域の地耐力や地震時の揺れやすさを調べることができます。

住宅地盤情報提供システムGEODAS(ジオダス)

Screenshot of www.jiban.co.jp

住宅地盤情報提供システムGEODAS(ジオダス)では、地域を選択すると以下の情報を確認することができます。

  • 地盤調査を行なった結果「良好地盤」と診断された場所
  • 地盤調査を行なった結果「軟弱地盤」と診断された場所
  • 地盤が軟弱なため「地盤補強工事」をした場所
  • 「腐植土」が確認された場所
  • ボーリング調査のデータがある場所

国土交通省ハザードマップポータルサイト

Screenshot of disaportal.gsi.go.jp

国土交通省ハザードマップポータルサイトでは、住所を入力すると「洪水」「土砂災害」「津波」のハザードマップを表示してくれます。

こういったWebサービスを利用して、土地選びに活用することで効率よく土地探しができ、地盤改良の必要度合いを簡易的に調べることができます。

3階建てに限らず注文住宅を建てる際には是非利用するようにしましょう。

尚、ハウスメーカーの中には地盤調査費を無料にしている会社もありますが、その地盤調査費用は他の項目に含まれていることもありますので、安易に無料だからといって選択するのはよくありません。

このように3階建ての注文住宅を建てる場合の費用の相場が上がるとされている要因は建物の安全性を確保するためのものです。

構造計算は2階建ての注文住宅を建てる際にも行った方がいいですし、地盤改良も購入した土地が軟弱地盤であれば、平屋は2階建て住宅でも必要ですので、一概に3階建て住宅だからといって費用が高くなるわけではありません。

地盤改良は3階建て住宅でなくても必要な場合がある

三階建て住宅を建てる時の注意点

3階建ての注文住宅を建てる際に費用が高くなる要因と必要となる費用の内容・相場を説明しましたが、3階建て住宅を建てる際に注意しなければいけない点を説明していきます。

住宅の高さ制限がある

注文住宅を建てる場合に、自由に敷地いっぱいに広げたり高く建てるといったことはできません。

建築基準法では、「建ぺい率」「容積率」「高さ制限」「斜線規定」といったさまざまな制限が定められています。

この中の「高さ制限」は、建物の高さの上限を制限するもので、注文住宅を建てる土地の用途地域によって高さの上限が設定されています。

例えば、第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域の場合は、高さの上限が10mまたは12mとなっていますおり、それ以上の建物を建てることができません。

3階建てになるともちろん高さが高くなりますが、ハウスメーカーなどが提案するプランのほとんどはこの上限を超えないような9.9mなど上限の範囲内で提案することが多いです。

工務店や建築設計事務所もこの高さ制限を順守しなければいけないので、しっかり考慮してプランを提案してくれますが、高さ制限により一部天井が低くなるなど居住性が悪くなる恐れもあります。

また、地域によっては都市計画法に基づく地域地区の1つで高さ制限(最低高さ・最高高さ)のある「高度地区」に指定されているところもあります。

どの地域に指定されているかは、役所の都市計画課で確認してみましょう。

用途地域によって高さ制限があるので、土地を購入する際は確認すること

生活動線が複雑になる

3階建て住宅の場合は、2階にリビングを配置することが多いです。主婦の方は毎日の買い物をしたものを2階まで運ばなければいけません。

他にも3階建て住宅は面積が狭いので、浴室と洗濯物を干すスペースが別々の階になることも少なくなりません。そうなると洗濯機をどちらに設置するかを考えなければいけません。

このように、1階・2階・3階と動線が分断されると生活に支障をきたすこともあるので、生活動線が複雑にならないように考慮する必要があります。

特に料理・洗濯・掃除の家事の動線は日常生活をイメージして生活動線を考えること

地盤がしっかりしている土地を選定する

3階建て住宅は建物の重量が増えるので、一般的な平屋や2階建て住宅に比べると、地盤調査から地盤改良や基礎工事に費用がかかる場合があると説明しましたが、そういった費用をあまりかけないように地盤がしっかりとした土地を選定することも費用を抑えるための方法の1つです。

土地を購入する際は、売主や不動産会社に相談して事前に地盤調査ができるかどうか確認しましょう。

一番安いスウェーデンサウンディング試験なら費用相場として数万円なので地盤改良の費用と比べると高くありません。安全を買うという意味でも購入前の地盤調査をお勧めします。

土地購入前に地盤調査ができるか確認すること

三階建て注文住宅の相場

一般的に建てられている住宅は、そのほとんどが平屋か2階建て住宅で3階建て住宅はあまり見かけませんが、特に地価の高い都市部では3階建て住宅の根強い需要があります。

また、建売住宅で3階建てを販売している会社はほとんど見ることがないので、3階建て住宅を建てたい場合は、基本的にハウスメーカーや工務店、建築設計事務所に依頼して建てる注文住宅になることが多いです。

ハウスメーカーでも3階建てに特化した商品ラインナップを積極的に用意しており、建築設計事務所でも狭小地を特性を生かした住宅プランの提案を得意とする建築家もいます。

ハウスメーカーや工務店、建築設計事務所のどこに頼むかによっても変わってきますが、やはり一番気になるところは3階建ての注文住宅の相場ではないでしょうか。

3階建て住宅は、平屋や2階建て住宅と比べると坪単価が数万~十数万円割高になると言われていますが、土地・建物購入で考えると決して割高になるわけではありません

都道府県 延床面積(㎡) 敷地面積(㎡) 建設費(万円) 土地取得費(万円) 建設費と土地取得費合計(万円) 敷地面積(坪) 土地価格坪単価 延床面積(t坪) 建設費坪単価
北海道 114.4 258.1 2,608.5 697.4 3,305.9 78.2 8.9 34.7 75.2
青森県 115.3 286.8 2,652.9 614.3 3,267.2 86.9 7.1 34.9 75.9
岩手県 115.1 261.8 2,549.6 703.9 3,253.5 79.3 8.9 34.9 73.1
宮城県 121.7 293.3 2,820.2 1,070.5 3,890.6 88.9 12.0 36.9 76.5
秋田県 108.9 255.2 2,397.9 503.7 2,901.6 77.3 6.5 33.0 72.7
山形県 122.5 290.1 2,774.2 842.8 3,617.0 87.9 9.6 37.1 74.8
福島県 116.4 305.2 2,856.7 873.2 3,729.8 92.5 9.4 35.3 81.0
茨城県 116.2 280.1 2,723.4 820.3 3,543.6 84.9 9.7 35.2 77.3
栃木県 115.7 279.7 2,740.1 822.0 3,562.1 84.8 9.7 35.1 78.2
群馬県 115.5 292.0 2,601.2 760.5 3,361.7 88.5 8.6 35.0 74.3
埼玉県 111.4 192.2 2,641.5 1,593.0 4,234.5 58.2 27.4 33.8 78.2
千葉県 113.1 211.7 2,711.4 1,313.8 4,025.2 64.2 20.5 34.3 79.1
東京都 100.0 113.1 2,389.0 3,239.8 5,628.8 34.3 94.5 30.3 78.9
神奈川県 105.9 151.0 2,545.2 2,267.7 4,812.9 45.8 49.6 32.1 79.3
新潟県 116.0 213.0 2,554.5 793.5 3,348.0 64.5 12.3 35.2 72.6
富山県 126.4 246.3 2,740.1 750.6 3,490.6 74.6 10.1 38.3 71.5
石川県 124.3 202.4 2,729.3 1,012.3 3,741.6 61.3 16.5 37.7 72.5
福井県 124.6 241.2 2,713.5 761.8 3,475.3 73.1 10.4 37.7 71.9
山梨県 116.1 274.7 2,661.7 833.5 3,495.3 83.2 10.0 35.2 75.7
長野県 114.2 293.1 2,673.3 826.7 3,500.0 88.8 9.3 34.6 77.2
岐阜県 116.4 256.5 2,756.4 867.8 3,624.1 77.7 11.2 35.3 78.1
静岡県 114.4 219.1 2,826.2 1,191.6 4,017.8 66.4 17.9 34.7 81.5
愛知県 117.1 193.0 2,912.0 1,623.9 4,535.9 58.5 27.8 35.5 82.1
三重県 118.6 249.4 2,808.2 913.4 3,721.6 75.6 12.1 35.9 78.2
滋賀県 117.0 209.2 2,739.0 1,080.6 3,819.6 63.4 17.0 35.4 77.3
京都府 106.3 164.2 2,449.1 1,420.4 3,869.5 49.8 28.6 32.2 76.0
大阪府 109.7 134.0 2,448.1 1,819.9 4,268.0 40.6 44.8 33.3 73.6
兵庫県 113.7 184.4 2,653.2 1,452.4 4,105.6 55.9 26.0 34.5 77.0
奈良県 116.5 204.4 2,684.2 1,350.9 4,035.2 61.9 21.8 35.3 76.0
和歌山県 113.2 198.1 2,670.5 895.3 3,565.8 60.0 14.9 34.3 77.9
鳥取県 113.3 247.2 2,465.9 605.3 3,071.2 74.9 8.1 34.3 71.8
島根県 113.4 232.8 2,607.7 664.3 3,272.1 70.5 9.4 34.4 75.9
岡山県 117.3 225.9 2,869.7 974.0 3,843.8 68.4 14.2 35.6 80.7
広島県 114.6 211.0 2,734.6 1,142.9 3,877.5 64.0 17.9 34.7 78.7
山口県 113.2 269.2 2,887.2 760.4 3,647.5 81.6 9.3 34.3 84.2
徳島県 116.4 239.0 2,698.8 859.0 3,557.7 72.4 11.9 35.3 76.5
香川県 116.3 232.7 2,579.7 835.2 3,414.9 70.5 11.8 35.2 73.2
愛媛県 113.3 205.1 2,446.3 968.2 3,414.5 62.2 15.6 34.3 71.3
高知県 112.3 211.6 2,607.4 995.7 3,603.0 64.1 15.5 34.0 76.6
福岡県 114.8 238.9 2,781.3 1,056.7 3,838.0 72.4 14.6 34.8 79.9
佐賀県 115.6 248.8 2,727.0 756.9 3,483.9 75.4 10.0 35.0 77.8
長崎県 110.2 234.6 2,682.0 792.8 3,474.9 71.1 11.2 33.4 80.3
熊本県 111.9 271.3 2,657.3 861.9 3,519.2 82.2 10.5 33.9 78.4
大分県 114.8 271.1 2,682.1 846.3 3,528.5 82.2 10.3 34.8 77.1
宮崎県 108.8 312.2 2,455.4 728.5 3,183.9 94.6 7.7 33.0 74.5
鹿児島県 107.4 292.0 2,525.0 773.6 3,298.5 88.5 8.7 32.5 77.6
沖縄県 105.2 249.3 2,635.1 1,316.5 3,951.6 75.5 17.4 31.9 82.6
全国 113.3 218.1 2,663.3 1,291.4 3,954.8 66.1 19.5 34.3 77.6
都道府県 延床面積(㎡) 敷地面積(㎡) 建設費(万円) 土地取得費(万円) 建設費と土地取得費合計(万円) 敷地面積(坪) 土地価格坪単価 延床面積(t坪) 建設費坪単価

住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」調べ

こちらは土地を購入した土地取得費と建物の建設費の両方を「フラット35」で借り入れた方のデータを都道府県別にまとめたものです。

都道府県 延床面積(㎡) 敷地面積(㎡) 建設費(万円) 土地取得費(万円) 建設費と土地取得費合計(万円) 敷地面積(坪) 土地価格坪単価 延床面積(t坪) 建設費坪単価
東京都 100.0 113.1 2,389.0 3,239.8 5,628.8 34.3 94.5 30.3 78.9
全国 113.3 218.1 2,663.3 1,291.4 3,954.8 66.1 19.5 34.3 77.6

東京都を見ると土地取得費の相場が3,239.8万円とダントツの1位です。敷地面積は113.1㎡(34坪)で土地坪単価の相場は94.5万円/坪と他の地域と比べてもかなり高額であることが分かります。

【土地取得費】
土地取得費は土地取得予定の購入予定額、あるいは取得済みで取得した際の実際の購入金額となります。東京は113.1㎡の対して土地購入額が3,239.8万円と圧倒的に高いことが分かります。逆に地方では、600~800万円台の土地で注文住宅を建てていることがうかがえます。

しかし、土地代の相場は高額ですが、建設費を見ると2,389.0万円と全国平均の相場よりも安い建築費で建てていることが分かります。土地代と建設費の総額で考えると5,628.8万円とダントツの費用ですが、東京都では土地代が圧迫して注文住宅に予算をかけられないことが伺えます。

狭小住宅は一般的に約15坪以下とされていますので、土地代を15坪で換算すると15坪×95.2万円/坪=1,428万円となります。

東京都の土地取得費相場と比較すると3,239.8万円-1,428万円=1,811.8万円も狭小地を購入することで費用削減することができる計算です。

仮に3階建ての注文住宅を建てとしても土地の購入費用が削減できることで全体の費用を抑えることも可能だといえます。

このように狭小地に3階建て住宅を建てることが多い東京都などの都心部では、必ずしも3階建てにすると割高になるということはありません

都道府県 延床面積(㎡) 敷地面積(㎡) 建設費(万円) 土地取得費(万円) 建設費と土地取得費合計(万円) 敷地面積(坪) 土地価格坪単価 延床面積(t坪) 建設費坪単価
三大都市圏 111.3 180.6 2,639.8 1,703.2 4,343.0 54.7 31.1 33.7 78.3
首都圏 107.8 168.1 2,575.2 2,076.9 4,652.2 50.9 40.8 32.7 78.8
近畿圏 112.2 169.7 2,577.1 1,500.3 4,077.3 51.4 29.2 34.0 75.8
東海圏 116.6 219.2 2,847.7 1,274.3 4,122.0 66.4 19.2 35.3 80.6
その他地域 115.3 257.0 2,687.8 863.8 3,551.6 77.9 11.1 34.9 76.9
全国 113.3 218.1 2,663.3 1,291.4 3,954.8 66.1 19.5 34.3 77.6

こちらは、三大都市圏とその他の地域ごとにまとめたデータで地域区分は以下の通りです。

【三大都市圏】
首都圏:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県
近畿圏:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県
東海圏:愛知県、岐阜県、静岡県、三重県
その他地域:上記以外の地域

こちらのデータを見ても都市部の土地取得費は1,000万円を超えており、高額であることが分かります。土地の坪単価の安い地域では3階建て住宅は割高になるかもしれませんが、坪単価の高い都市部では3階建て住宅が割安になることもあるので、どちらがいいかを検討されてもよいかと思います。

3階建ては土地の価格が高い地域ほど割安になる可能性がある

三階建て住宅の割合は東京都が35%を占める!?

都道府県 件数合計 件数割合 軸組工法 2×4工法 プレハブ工法 混構造 その他の工法
北海道 361 1.5% 216 36 11 28 70
青 森 13 0.1% 10 0 2 1 0
岩 手 7 0.0% 3 4 0 0 0
宮 城 118 0.5% 77 39 1 1 0
秋 田 3 0.0% 2 1 0 0 0
山 形 20 0.1% 9 2 1 8 0
福 島 27 0.1% 19 7 1 0 0
茨 城 62 0.3% 20 41 0 0 1
栃 木 47 0.2% 20 23 2 0 2
群 馬 58 0.2% 29 25 4 0 0
埼 玉 2,256 9.3% 1,879 337 15 21 4
千 葉 521 2.1% 390 100 12 7 12
東 京 8,652 35.5% 7,129 1,230 112 78 103
神奈川 3,532 14.5% 2,325 1,112 48 28 19
新 潟 364 1.5% 113 18 8 201 24
富 山 5 0.0% 5 0 0 0 0
石 川 20 0.1% 17 0 3 0 0
福 井 5 0.0% 5 0 0 0 0
山 梨 13 0.1% 5 8 0 0 0
長 野 34 0.1% 15 8 3 7 1
岐 阜 34 0.1% 21 11 0 1 1
静 岡 276 1.1% 179 81 8 5 3
愛 知 879 3.6% 452 392 23 11 1
三 重 28 0.1% 15 11 0 1 1
滋 賀 71 0.3% 53 15 1 2 0
京 都 812 3.3% 755 45 3 5 4
大 阪 4,167 17.1% 3,884 255 10 6 12
兵 庫 1,202 4.9% 1,092 77 7 21 5
奈 良 39 0.2% 27 10 0 2 0
和歌山 14 0.1% 13 1 0 0 0
鳥 取 13 0.1% 10 3 0 0 0
島 根 11 0.0% 8 2 1 0 0
岡 山 30 0.1% 18 10 1 1 0
広 島 313 1.3% 279 25 1 7 1
山 口 8 0.0% 7 1 0 0 0
徳 島 16 0.1% 11 3 1 0 1
香 川 21 0.1% 12 3 4 2 0
愛 媛 48 0.2% 21 19 3 5 0
高 知 29 0.1% 15 3 0 11 0
福 岡 100 0.4% 47 40 2 11 0
佐 賀 9 0.0% 2 6 0 1 0
長 崎 45 0.2% 30 5 0 8 2
熊 本 30 0.1% 7 16 3 4 0
大 分 23 0.1% 8 13 1 1 0
宮 崎 10 0.0% 3 7 0 0 0
鹿児島 41 0.2% 30 7 3 1 0
沖 縄 1 0.0% 0 0 0 1 0
全国 24,388 100.0% 19,287 4,052 295 487 267
都道府県 件数合計 件数合計 軸組工法 2×4工法 プレハブ工法 混構造 その他の工法

こちらのデータは国土交通省が公開している木造3階建て住宅の建築確認統計データになります。

参考 木造3階建て住宅及び丸太組構法建築物の建築確認統計について(平成26年10月、11月、12月及び平成26年分)

こちらを確認すると東京都で建てられている3階建て住宅は8,652件で、全国の約35%は東京都で3階建て住宅が建てられていることが分かります。

また、件数の多い「東京都」「神奈川県」「大阪府」を合計すると全体の67.1%と約7割の3階建て住宅は都市圏で建てられています。

3階建て住宅は「東京都」「神奈川県」「大阪府」で約7割を占める

三階建てを提案しているハウスメーカー・工務店

3階建て住宅は基本的に注文住宅になりますので、いくつか3階建てを提案しているハウスメーカー・工務店を紹介します。

三栄建築設計

Screenshot of www.chumon-san-a.com

三栄建築設計は、1988年の建築基準法改正によって可能となった木造3階建住宅に早くから取り組んでいる住宅会社です。都心の狭小地を生かして耐震性のある快適な住空間を提案しており、1000万円台で3階建てでも注文住宅を建てることができるのが特徴です。

積水ハウス

Screenshot of www.sekisuihouse.com

積水ハウスの3階建て住宅は、鉄骨3・4階建て用構造「フレキシブルβシステム」という高さ60mの高層ビルと同等の耐震基準で設計された安全性能が高い注文住宅です。

ダイワハウス

Screenshot of www.daiwahouse.co.jp

ダイワハウスの3階建て住宅は、「xevo03」という軽量鉄骨ブレース構造を採用した商品を提供しています。一般的な重量鉄骨ラーメン構造と違い柱型が室内に出ないので、狭小住宅でも広さを確保することができます。

へーベルハウス

Screenshot of www.asahi-kasei.co.jp

へーベルハウスでは、深い青色の外壁をまとった「メテオブルーモデル」や都市を上手に暮らす知恵をつめ込んだ、高さの変化を楽しむ家「テラクラフト」など多くの3階建て住宅の商品ラインナップがあります。

ハウスメーカーでも独自に3階建てについても力を入れていますが、ハウスメーカーによって得意とする構造や工法、プラン内容など様々です。

そういった場合は、1社ごとに相談するよりは3階建て住宅の要望を伝えて複数のハウスメーカーに同時に提案してもらうとプランの比較もできます。

各ハウスメーカーが提案してきたプランを見て、どういったプランが自分たちの暮らしにふさわしいか比較することができますので、その中でいいと思ったものがあればそのハウスメーカーと話を進めましょう。

また、複数のハウスメーカーに依頼するのも大変だという方もいると思いますが、112万人が利用しているハウスメーカー一括プラン提案サービスというのもあります。

こういった一括サービスを利用すれば、こちらが提示した条件で複数のハウスメーカーからプランの提案がありますので、手間や時間がかかりません。

また、一括サービスでは「間取りプラン」「資金計画」「土地探し」を無料提案してくれますので、トータルでサポートが受けられるメリットもあります。

ハウスメーカーを選んだら見積書は必ずチェック


ハウスメーカーへ一括申請することで、プラン内容などを比較することができます。複数のハウスメーカーを検討して1社のハウスメーカーを決定したら、建築材料や設備を具体的にどういったものにするか詳細をつめて本設計に移り、正式な見積書を作成してもらいます。

そして提出された見積書は必ず疑ってチェックしてください。見積書を細かくチェックすれば、提出された見積金額より下がる可能性もあります。どのように見積書が作られているか見積書の裏側については「ハウスメーカーや工務店の見積書は絶対に信じてはいけない」で詳しく解説していますので、ご確認ください。

また、見積書を詳しくチェックしたことで、見積金額が下がった事例も「400万円の見積金額から200万円まで減額させた見積査定の全貌公開」で紹介していますので、こちらも合わせて参考にしてください。

無料相談フォーム

ハウスメーカー一括プラン提案サービスを利用したけど、内容や見積書をどう判断すればいいか分からない方は無料で相談受け付けています。見積書査定のご依頼も承っておりますので、気軽にご相談ください。

見積書無料相談および見積査定依頼フォーム

建築士・宅地建物取引士・建築積算士・被災建築物応急危険度判定士・SEOコンサルタント

分離発注で家建築。
「気密?知らん。気密は秘密」と笑ってギャグを飛ばすおじいちゃん大工さんたちと独学で高断熱高気密住宅を建ててみた。
【結果】
C値:0.0(中間時:0.025、完成時:0.006)

気密処理はすべて自分で行いました。
丁寧に気密処理をすれば、素人がやってもしっかり気密が取れます。

Arduino・RaspberryPi・EPS32など電子工作が好き。
室内環境をフルオートで管理するのが目標。
月100万PV↑サイト運営とかSEO対策も得意。(証拠
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