注文住宅費用の内訳と押えておくべき4つのポイント

家作りにかかる費用の割合

注文住宅の費用

これから注文住宅で家を建てたいと考えている方は、だいたいの予算をお持ちだと思いますが、チラシや広告などに掲載されている金額をまるまる鵜呑みにするのは要注意です。

注文住宅で家を建てる場合は、単純に建物本体だけにお金がかかるのではなく、建物本体以外にも多くのお金が必要となります。

例えば、建物本体の価格とは別に、敷地を工事する外構工事や設計作業にかかる設計料、役所に提出する建築確認申請の手数料、新築した建物の登記費用など様々な費用がかかります。

建物本体の価格だけだと思っていると思いのほか予算オーバーすることもありますので、建物本体以外にかかる費用にはどういったものがあるのか、いくらぐらいかかるのかを注文住宅費用の内訳をしっかり把握した上で資金計画を立てましょう。

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注文住宅費用の内訳

総費用

「総費用」とは、注文住宅で家を建てるのにかかる全体の費用のことをいいます。

総費用の内訳は、大きく分けると「本体工事費」「付帯工事費(別途工事費)」「諸費用」の3つに分類されます。

本体工事費と付帯工事費の内訳は、ハウスメーカーや工務店など業者によって異なりますので、注意が必要です。

諸費用についても見積書に含める業者もいれば、含めない業者もいます。

見積書をもらった際にどういった工事が含まれているのか、含まれていないものはないのかを必ずチェックしましょう。

  • 本体工事費
  • 付帯工事費(別途工事費)
  • 諸費用

家作りにかかる費用の割合

総費用の割合

注文住宅の総費用は「本体工事費」「付帯工事費(別途工事費)」「諸費用」の3つに分類されますが、平均的な目安としては、総費用に対して「本体工事費」が70%、「付帯工事費(別途工事費)」が20%、「諸費用」が10%ぐらいの割合が相場となります。

もちろん建設する注文住宅の坪数や階数、土地の形状によって費用が異なりますが本体工事費からだいたいどれぐらいが総費用になるかはしっかり把握しましょう。

注文住宅のチラシや広告では、よく坪単価○○万円と書かれているものもありますが、この坪単価は本体工事費の部分だけの費用で、別途工事費用・諸費用が入っていない場合も多いです。

関連記事 注文住宅の坪単価別相場と坪単価について知らないと損をする3つのこと

関連記事 ハウスメーカーの比較は坪単価相場で判断してはいけない2つの理由とは?

チラシや広告をよく見ると小さく書かれている場合もあります。他と比べて安い場合は、安いなりの理由があります。どういった理由で安いのかをしっかり考えた上で、業者選びをするのも後悔しないための予防線になります。

チラシや広告の金額がどの部分を指しているのかを必ずチェックする

総費用の内訳事例

こちら、注文住宅の総費用に対しての「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の参考金額です。

例えば、総費用が3,000万円の注文住宅であれば、3,000万円×70%=2,400万円が本体工事費用となります。

本体工事費だけの費用を全面に出す業者も多いので、総費用がいくらぐらいかかるのか参考にしてください。

また、実際の見積書からそれぞれの内訳ごとの費用を算出して突出してかかっている費用がないかのチェックにも利用できます。

総費用(万円) 本体工事費用(万円) 付帯工事費用(万円) 諸費用(万円)
1,000 800 160 40
1,500 1,200 240 60
2,000 1,600 320 80
2,500 2,000 400 100
3,000 2,400 480 120
3,500 2,800 560 140
4,000 3,200 640 160
4,500 3,600 720 180
5,000 4,000 800 200
5,500 4,400 880 220
6,000 4,800 960 240

本体工事費

「本体工事費」は、建物の材料費や施工する費用など建物本体にかかる費用のことをいいます。

工事を安全に施工するための足場組みなどの仮設工事から構造物を支える基礎工事、床・壁・天井などの内装工事、ガス・水道・電気などの設備費用も含まれます。

本体工事費は、あくまで建物全体にかかる費用になりますので、玄関前のアプローチや駐車場、庭といった外構工事などの費用は含まれません。

注文住宅の建物に利用する建材や施工の費用が含まれますので、家づくりで一番多く費用がかかる項目になります。「本体工事費」の割合としては、総費用の70%程度が相場となります。

本体工事費の内訳としては、更に以下のような工事ごとに費用が分かれます。

本体工事の内訳 工事内容
仮設工事 工事を安全に施工するための足場組みなどの準備工事
基礎工事 コンクリート、鉄筋、型枠、杭、土の処理など建物の土台となる部分の工事
木工事 小屋組みや、床組などの構造工事や屋根・壁・床の下地工事、敷居・鴨居・階段などの造作工事
屋根・板金工事 瓦やガルバニウム鋼板などで屋根を葺く工事や雨樋などの取り付け工事
外壁塗装工事 外壁のサイディングボードやALCパネルの取り付け、塗り壁などの外壁工事
石・タイル工事 玄関の床やお風呂場の壁・床などにタイルや石を貼る工事
左官工事 床下地のコンクリート直押えやモルタル塗りなど塗仕上げる工事
断熱・気密工事 屋根や壁・床下などに断熱材を敷き詰める工事
サッシ・ガラス工事 屋外に面した窓ガラス・サッシ・網戸の取り付け工事
木製建具工事 室内の木製ドア・ふすま・障子などを取り付ける工事
金物工事 金属の手すりや鉄骨階段などを取り付ける工事
電気工事 電灯コンセントなどの電線や電話線、弱電設備などの設置工事
給排水衛生工事 キッチンやトイレ・浴室といった水回りの配管などを取り付け工事
冷暖房空調工事 空調・換気・排煙の配管や空調ダクトなどを取り付け工事
防腐・防蟻工事 シロアリによる被害や構造材の腐食を守るための薬剤を散布する工事
内装仕上げ工事 内部の床・壁・天井のクロスや塗装で仕上げる工事
仕上げユニット工事 お風呂場のユニットバスやシステムキッチン、トイレなどを取り付ける工事

建築工事内訳書(科目別)

ハウスメーカーや工務店、建築設計事務所からもらう見積書もこのような工事別で内訳書をもらうことが多いです。

なかには部位別・部屋別といった工事費内訳書もありますが、どの工事にどれぐらいの費用がかかるのか工事費内訳書から把握することができますので、内容が明確に理解できていなくても、どういった工事でどれぐらいかかるのかは把握しましょう。

ちなみに建物の見積書には統一した見積書というのはありません。

複数の業者から相見積もりを取ると工事科目が異なる場合がありますが、まったく違う内容というわけではないので、見積書を照らし合わせて確認するようにしましょう。

科目別よりも部屋別など部屋ごとにどれぐらい費用がかかるのか分かる見積書形式もあります。どの部屋にこだわりがあるかによって部屋仕様のグレードなど優先順位をつけるのには部屋別が適していますので、見積書作成前に業者へ依頼してみましょう。

見積書作成では、科目別・部屋別に見積システムで設定ができるものも多いので、そこで嫌な顔をされるようならその業者へは依頼しないほうがいいです。

工事別にどのぐらい費用がかかるのかチェックしよう
部屋ごとにこだわるなら見積書は部屋別で提出してもらおう

付帯工事費(別途工事費)

「付帯工事費(別途工事費)」は、建物本体の工事に含まれない費用のことをいいます。注文住宅で家を建てる場合は、単に家を建てるだけが工事ではありません。

例えば、土地に家が元々建っていて建て替えを行う場合は、元々建っている住宅を解体しなければいけません。その住宅を解体するための解体工事費用が必要となります。他にも建物の外側に駐車場や庭の整備といった外構工事や空調や照明器具の設置なども付帯工事費に含まれるものです。

「付帯工事費(別途工事費)」の割合としては、総費用の20%程度が相場となります。

付帯工事費用の内訳としては、更に以下のような工事ごとに費用が分かれます。

付帯工事の内訳 工事内容
仮設工事 仮設トイレ、仮設電気、仮設水道、清掃片づけなどの準備工事
解体工事 元々住んでいた住宅や古い家屋を解体する工事
地盤改良工事 軟弱な地盤を固く改良し、家を建てられる状態にするための工事
屋外電気工事 敷地の外から敷地内部まで電気配線を引き込む工事
屋外給排水工事 敷地の外から敷地内部まで給排水管を引き込み工事
屋外ガス工事 敷地の外から敷地内部までガス管を引き込み工事
外構工事 門扉や駐車場・玄関までのアプローチなどを整備する工事
造園工事 庭の石垣や植栽などを行う工事
地盤調査費 地盤の強さを測るサウンディング調査費
現場管理費 現場を管理するために必要な人件費など

ガス・水道管の敷設などは土地の環境によって、費用が割高になる場合があります。

例えば、高低差のある土地であれば、ガス・水道管も平坦な土地より長くなりますし、道路から離れた場所へ建物を建てる場合は、そこまで伸ばさなければいけません。

ほかにも地盤が弱い土地の場合は土地調査を行いますが、場合によっては地盤の強度を確保するために地盤改良する必要もでてきます。

土地を購入して注文住宅で家を建てる場合は、単に土地代が安いだけで購入するのではなく、建物を建てる際に余分にかかる費用を考えた上で、土地を購入しましょう。

安い土地を購入できたとおトクだと思ったら、建物の工事で思いもよらない費用がかかる場合もありますので、土地と建物は常にセットでどれぐいらいの費用になるか検討した上で決めましょう。

土地を購入する場合は、付帯工事で必要になる工事がないかチェックする

諸費用

「諸費用」は、土地・住宅に関連する税金や火災保険料など基本的に現金で支払わなければいけない費用になります。

諸費用には、建売住宅の購入・注文住宅を建てた際に必要な税金や住宅ローンの手続きの際に発生する住宅ローン手数料、地震に備えた地震保険や火災保険などの保険料、引っ越しにかかる費用、新しく購入する家具・家電の費用などが含まれます。

ほかにも、土地を購入して注文住宅を建てる場合は土地の契約時に「土地売買契約書」を、建物の工事の際には「工事請負契約書」を締結します。その契約書自体にかかってくる印紙税も諸費用となります。

「諸費用」の割合としては、総費用の10%程度が相場となります。

諸経費の内訳としては、以下のように費用が含まれます。

諸費用の内訳 内容
印紙税 「土地売買契約書」「工事請負契約書」などを作成する場合に課される税金
不動産取得税 不動産を取得した際に課される都道府県税
登記手数料 土地や建物の所有者を登記簿に記載するために司法書士などに依頼する際にかかる手数料
登録免許税 土地の取得や建物を登記(表示陶器・保存登記・抵当権設定等など)する際に課せられる税金
固定資産税 毎年1月1日時点で土地建物など登記されている所有者に課される地方税(市町村税)
都市計画税 市街化区域内に所在する土地建物に課される税金
引っ越し費 仮住まいの家賃、新築住宅への引っ越し運搬費など
物件検査手数料 新築した住宅が国の建築基準に違反していないか調査するための検査費用
仲介手数料 仲介業者で注文住宅を建てた場合に支払う仲介手数料

諸費用や基本的に現金で支払う費用になります。多いときは100万円を超える場合もありますので、どういった税金や手数料がかかるのかをしっかり把握しましょう。

注文住宅費用で見極める4つのポイント

チラシや広告の金額がどの部分を指しているのかを必ずチェックする

チラシや広告に記載されている金額は本体工事費のみの場合が多いです。

どの部分の金額なのかをチェックしましょう。

工事別にどのぐらい費用がかかるのかチェックしよう

見積書は1枚の用紙ではなく、どういった材料がどのくらいの数量でいくらかかるのか工事費内訳書で細かく書かれています。

一般的には、それぞれの工事別にまとまて金額が算出されていますので、どこの工事にどれぐらいの費用がかかっているのか工事費内訳書でチェックしましょう。

部屋ごとにこだわるなら見積書は部屋別で提出してもらおう

実際に注文住宅で見積してもらうと、多くの場合で予算オーバーになることが多いです。そういった場合は、使用している建材のグレードを落とすか、プランを変更する必要がでてきます。

こだわりのある部分はどうしても外せないなど優先する部分があると思いますので、そういった場合は部屋別の見積書をもらうようにしましょう。

部屋単位でどういった部分を削るか分かりやすいので、丁寧にチェックしたい場合は、部屋別・部位別の見積書を依頼しましょう。

土地を購入する場合は、付帯工事で必要になる工事がないかチェックする

総費用は、「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の3つに分類されますが、付帯工事では現場が始まった後に含まれていない工事もでてくる場合があります。

そういった場合の費用負担は、依頼主になることもあるのでどういった付帯工事が必要になるのかを確認しましょう。

建築士・宅地建物取引士・建築積算士・被災建築物応急危険度判定士・SEOコンサルタント

分離発注で家建築。
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